まさに「ジャスト」の位置だった(写真はトラブル時の様子。村川内梓京/5近畿圏に出没??さん提供)

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東武東上線の和光市駅(埼玉県和光市)で、電車の乗降口と転落防止を防ぐ可動式ホーム柵(ホームドア)が一時的にぴったり重なり、乗客の乗り降りができなくなる珍しいトラブルが起こった。

発車の合図をした直後に車掌が警報音を感知したため、緊急停止した結果、たまたま重なったようだ。けが人などは出なかったが、居合わせた乗客の中には珍しい光景の写真をツイッターに投稿する人もいて、「まともに停車もできないのか」と話題になっている。

車掌の非常停止措置と車両発進がほぼ同時

東武鉄道の広報部によると、トラブルは2016年6月30日に起こった。川越市駅行きの各駅停車が17時17分に和光市駅を発車しようとした際、車掌が乗務員室で何らかの警報音を感知。

「ホームドアの異常ではないか」――そう疑った車掌はとっさに車両のドアを再び開けた。これに連動し、ホームドアも再び開いた。

しかし、車掌から「異常なし」のサインを受けていた運転士は車両を発車させ、約1メートル進んだ後に警報音を把握して非常ブレーキをかけて停車させた。この結果、開いたままの乗降口とホームドアの柵が一時的に重なってしまったのだという。その後、電車はそのまま和光市駅を出発した。

車両の非常停止と発車のタイミングが偶然重なったことがトラブルにつながったようだ。

担当者によると、このトラブルで3分の遅延が生じた。警報音の原因は「まだ確認できていない」という。

「無理やり頑張って乗車しようとした人」も

実際にホーム上でトラブルを見たという10代の男性は7月1日、J-CASTニュースの取材に、「こんなことが起こるんだなーという感じ」と感想を語る。

男性によると当時、ホーム向かいに到着していた東京メトロ副都心線直通の和光市駅行きから、トラブルの起こった各駅停車に乗り換えようとした乗客が多くいたという。主だった乗降はすでに済んでいたが

「乗りたくても乗れない という状況が発生し、皆それぞれのドアの前で立ち尽くす人、写真を撮る人、中には無理矢理頑張って乗車した人もいらっしゃいました」

と振り返る。

ツイッター上でも、現場に居合わせた乗客が車両の写真を投稿し「まともに停車も出来ないのか」と呆れる声を寄せた。

7月1日時点で、東武東上線内でホームドアが設置されている駅は和光市駅ただ1つ。東武の担当者によると、今回のようなトラブルは「初めて」だという。