「荘厳な神の木」 世界遺産の街、フランス・ストラスブールの大聖堂が美しすぎる
フランスのアルザス地方に位置するストラスブールは、世界遺産の美しい旧市街を残す街。
ストラスブールの旧市街、「グランディル」のランドマークがストラスブール大聖堂です。
パリのノートルダム大聖堂に次いで、大聖堂としてはフランスで2番目に多い年間400万人もの観光客が訪れています。
ストラスブール大聖堂は、1015年に建設が始められ一旦火災で焼失、1277年に土台が築かれました。
天に向かってそびえる高さ142メートルの尖塔は1439年に完成したもので、中世に造られた教会塔としては最高を誇ります。
この壮大な大聖堂を目にした瞬間、誰もが息を呑みます。
驚きと喜びが入り混じった感嘆の表情を浮かべる人々……
この大聖堂には見る人々を幸せな気持ちにさせてしまう魔力が備わっているかのようです。
大聖堂の前に立つと、外壁が赤みを帯びていることに気付くことでしょう。
その理由はヴォージュの山から切り出した赤色砂岩で造られたため。
この色彩が大聖堂に独特の華やかさとあたたかみを添えています。
圧巻なのが、大聖堂の外壁をびっしりと覆い尽くす精緻な装飾の数々。
文豪ゲーテも「荘厳な神の木」にたとえて絶賛したことで知られています。
世界に数ある教会の中でも、この大聖堂が最高傑作の一つであることを疑う余地はありません。
大聖堂のまわりを一周してその大きさ、装飾の細やかさをじっくりと体感してみましょう。
ストラスブール大聖堂が素晴らしいのは外観だけではありません。今度は内部を見てみましょう。
大聖堂内部は外観に比べると一見質素に思えるかもしれません。
しかしその思いはあっという間に打ち消されます。
中に入るとまず目に飛び込んでくるのが、宝石のようにまばゆい輝きを放つステンドグラスの数々。
これらは13〜14世紀当時の貴重なオリジナル作品です。
華やな装飾が施された色鮮やかなパイプオルガンにも目を奪われます。
北門から入って奥に進んでいくと、南の翼廊にたたずんでいるのが有名な天文時計です。
高さ18メートルに達する世界最大の天文時計の一つで、現在の時計は1838年から1843年にかけて造られたものです。
深いブルーとブラウン、ゴールドで彩られたその姿は重厚かつ、エレガント。
極めて精巧な仕組みでできており、毎日12:30からはキリストの前を12人の使徒が行進するしかけを見ることができます。
ライオンや天使、ドラゴンなどがあしらわれた彫刻の細やかさも必見です。
この大聖堂内部はじっくりと見れば見るほどその素晴らしさに気づきます。
天井や壁面、柱に施されているおびただしい彫刻の数々。
いったいこの大聖堂にはいくつの装飾があるのでしょうか。
考えると気が遠くなるほどの膨大な手仕事の成果が随所に見られ、感動せずにはいられません。
最後に、とっておきのお楽しみがあります。
高さ66メートルの大聖堂の展望台からストラスブールの街を一望することができるのです。
332段の階段をのぼって展望台に立つと、改めて大聖堂の大きさを実感します。
そして眼下には素朴で可愛らしいアルザス地方ならではの家々。
流れるような曲線の屋根や、互いに身を寄せ合うようにして立つ建物のユニークな構造もよくわかります。
初めて目にする人もどこか懐かしさを覚え、不思議と気持ちが落ち着くアルザスの風景。
街全体が博物館のような旧市街の眺望をじっくりと堪能しましょう。
ストラスブールにはさまざまな魅力がありますが、この大聖堂を見るだけでもストラスブールを訪れる価値が十分にあります。
一目見ればあなたもきっと、この美しき芸術作品に魅了されてしまうはずです。
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