始まりがあれば、終りもある。先日、ISS(国際宇宙ステーション)に接続されていたドラゴン宇宙船が切り離され、無事地球へと帰還しました。宇宙船はパラシュートを使い、東部標準時の14時51分に太平洋に着水しています。
 
ドラゴン宇宙船は約1ヶ月間ISSへとドッキングされ、地球を周回していました。宇宙船の中にはスコット・ケリー宇宙飛行士による生物学的なサンプル資料が搭載されています。このケリー宇宙飛行士は340日間という長期間、「微重力下における人体への影響」を調べるために宇宙船に滞在していたのですが、そのサンプルが地球に帰還したことになります。また、ケリー宇宙飛行士はISSでの滞在期間中に身長が5cm伸びたことでも話題になっていましたね!
 

 
宇宙船の切り離しはカナダアーム2という、作業用のアームによって行なわれました。切り離しはESA(欧州宇宙機関)のティム・ピーク宇宙飛行士が作業を行ない、東部標準時の9時18分に成功。その後ドラゴン宇宙船はスラスタを3回噴射し、ISSから離脱。そして14時まで軌道上を周回し、その後に大気圏内へと突入しました。
 
このドラゴン宇宙船、今回は着水にパラシュートを利用しましたが、将来宇宙飛行士が搭載した状態では逆噴射による着陸も想定されています。また2018年の無人火星探査の際も、逆噴射での着陸が予定されています。
 
今後、ドラゴン宇宙船はカリフォルニアのロングビーチに運搬され、内容物が取り出されます。今後の有人火星探査ミッションなどにおいても、「宇宙飛行士の無重力下での長期滞在における影響」は重要な研究対象となることでしょう。持ち帰られた資料から、より人類が宇宙空間で健康に滞在できるためのヒントが見つかると面白いですね。
 
Image Credit: NASA
■SpaceX’s Dragon capsule successfully returns to Earth from the International Space Station
http://www.theverge.com/2016/5/11/11652876/nasa-spacex-dragon-capsule-iss-departure-watch-live?utm_source=rss&utm_medium=rss