チェストオオオオ! 「#薩摩力高い童話」が鬼島津だらけでおとぎ話界存亡の危機
桜島(yukoさん撮影,flickrより)
首都・東京から距離が離れているからという理由もあるだろう。方言が難解で理解されにくいからかもしれない。古来より戦闘にはめっぽう強く、独特の気風があるためかもしれない。薩摩という地域は、日本の他とは少し違う不思議なところと思われているようだ。
いまツイッターでは、「#薩摩力高い童話」という話題が盛り上がっている。古今東西の童話の薩摩版パロディを披露して、大いに楽しもうという趣向だ。
たとえばシンデレラは、薩摩ではこうなる。2015年12月13日、こう投稿されている。
12時の鐘の前にと舞踏会を逃げ出したシンデレラだったが、井伊直政率いる赤備えがそれを追った。
「シンデレラお引きあれ!魔法が解ける前にシンデレラ一人戻れば、こん戦、勝ちでごわす!」
馬役のネズミ達が井伊勢を食い止めるべく、銃列を敷いた。これぞ捨てがまりである。
#薩摩力高い童話
- Wombat Mk2 改二 (@wombatmk2kai2) 2015, 12月 12
関ヶ原の戦いで西軍側の島津軍が敵中突破を決行した際に見せた、捨て身の戦法のパロディである。薩摩では、シンデレラのおとぎ話も戦場の話となってしまう、というわけだ。
まさか......? そんなバカな......? とんでもない、薩摩力の高い童話はまだまだたくさんありそうだ。
いつも灰まみれでしたが、気になりません
薩摩版シンデレラは他にこんなものも......。
#薩摩力高い童話
シンデレラ「武闘会に行きたい」
継母「お前にはまだ早い。どうしても行きたくばそこにいるかぼちゃとネズミの化物を討ち取ってみい」
- KMP (@Kana_pretty) 2015, 12月 14
シンデレラ「もう時間です、さようなら!」
王子「待って!・・・・・・ん?これはガラスの靴?まさかっ!?」
姉A「ぐわーははは!」
姉B「いけどりじゃあ!」
王子「やはり、釣り野伏でごわしたか!無念!」
シンデレラ「大将首じゃあ!」
継母「よかにせじゃあ!」
#薩摩力高い童話
- タケミツ (@tuck_mid) 2015, 12月 13
どうしても戦国時代になってしまう。またこんなものもある。
シンデレラは継母や義姉妹からこき使われ、日がな薪を燃やしたり灰をかき出したりしていました。
おかげでいつも灰まみれでしたが、鹿児島の人間はだいたいいつも灰にまみれているのでさほど気になりませんでした。
#薩摩力高い童話
- トロギア (@trogiar) 2015, 12月 14
シンデレラ「びんてからこげん灰(へ)っかぶっせえおはら祭りに行っがなっかよ(頭からこんな灰まみれでは舞踏会へ行けない」
魔女「んだも、どんしも灰(へ)ん中で踊っちょっでひとっこっじゃ(あらまあ、皆灰の中で踊っているから同じ事だ」
そう言って魔女は薩摩切子の靴ry
#薩摩力高い童話
- shoko (@shoko808) 2015, 12月 14
灰まみれのシンデレラが、薩摩切子のガラスの靴をはいて踊る姿を、思わず想像してしまう。桜島の灰は薩摩バージョン「シンデレラ」には欠かせないネタである。
シンデレラは12時の鐘が鳴ると方言がキツくなり王子様と会話が出来なくなるのです #薩摩力高い童話
- DJみっきー(かのやアニソンレディオ) (@dj_micky_k) 2015, 12月 13
方言もオチになるようだ。王子様の呼びかけに、カゴンマ(鹿児島)弁で答えるシンデレラ、ちょっと見てみたい気がする。
鬼を薩摩示現流でバッサリ倒す、桃太郎
一方、日本の童話も事欠かない。例えば、桃太郎は薩摩ではこうなる。
おばあさんがもってきた桃におじいさんもびっくりぎょうてん。「さっそく切りましょう」おばあさんは包丁を最上段に振り上げました。
これは八双と呼ばれるこの流派独特の構えである。一刹那ののち、猿のごとき奇声と共に桃は真っ二つに両断されていた。これぞ薩摩示現流である。 #薩摩力高い童話
- 桜田 (@c_skrd) 2015, 12月 13
これでは、桃太郎も登場できない。無事に成長した桃太郎が鬼退治に出かけると、こうなる。
桃太郎は犬猿キジを率いて鬼ヶ島に行きこう言いました
「おいん刀ん錆になりたか鬼共は前に出い!」
鬼めらはドン引いて宝物を渡しましたが
「なんじゃ、そいでも兵子が!」
桃太郎は構わず切り捨てました
#薩摩力高い童話
- サムタミハジ (@samu212) 2015, 12月 13
#薩摩力高い童話
桃太郎が鬼退治に出掛ける際お婆さんが「桃太郎や、これを持ってお行き」と薩摩芋とさつま揚げを持たせ道中で犬猿雉に薩摩芋を与え家来とし鬼に酒のつまみにさつま揚げを与えなんやかんやで薩摩示現流で鬼をバッサリ倒してめでたしめでたし
- 大尉 (@OROSHI_MUSOU) 2015, 12月 13
なんとも鬼より怖い、薩摩示現流の使い手、桃太郎である。
漫画「ドリフターズ」で島津豊久を活躍させている平野耕太先生も、やはりというべきか参戦。
#薩摩力高い童話
桃太郎は犬もキジも猿も連れずに鬼が島に突入しました
もちろん桃太郎は死んでしまいましたが悲しむものは誰も居ません
おじいさんもおばあさんも「良く死んだ、良く死んだ」と笑いながら第2、第3の桃太郎を送り出す準備を始めました
鬼が島の鬼が死に絶えるまで続きます
- 平野耕太 (@hiranokohta) 2015, 12月 13
#薩摩力高い童話
お爺さんが竹を取りに行くと、一本の光り輝く竹がありました
お爺さんは家から持ってきた削り出しの樫の棒を握ると
狂ったような猿叫を上げて竹を打ち据え始めました
お爺さんが力尽きて気絶するか、竹が折れるまで続きます
- 平野耕太 (@hiranokohta) 2015, 12月 13
椎名高志先生の投稿は、薩摩藩で行われていたという「肝練り」ネタだ。
サンボは、新しい火縄銃をロープでぶら下げて、着火した状態でぐるぐる回しました。虎とサンボは輪になって、まもなく誰かに向かって火を噴くであろう回る銃口を見つめつつ豪快に焼酎を飲みました。 #薩摩力高い童話
- 椎名高志@絶チル43巻発売中! (@Takashi_Shiina) 2015, 12月 13
三匹の子豚、ヘンゼルとグレーテル、赤ずきんちゃんも、薩摩バージョンはなぜか殺伐としている。「チェストオオオ!!」という気合と薩摩示現流、焼酎などのオチがつくパターンが多い。
芋焼酎(ya- ittさん撮影,flickrより)