秋篠宮家の悠仁さまが作られた「信号機の模型」が話題だ。宮内庁職員の文化祭に出されたこの作品。高さ3.3メートルのほぼ実物大、しかも実際に点灯するとあって「力作だ」との反応が出ている。


イメージ画像(報道をもとに、Jタウンネット編集部作成)

そんな中、地理好きが注目しているのが、模型に添えられた「赤坂表町」の交差点名。かつて東京都港区にあったが、現存していない地名なのだ。もちろん交差点の名前としても残されていない。そこで今回は、旧赤坂表町を歩いて、模型と同じタイプの信号機を探してみることにした。

手がかりは、公園の「古地図」


まずJタウンネット編集部が向かったのは、赤坂御用地。秋篠宮邸のある場所だ。目前にある青山通り(国道246号線)には、かつて都電が走っていて、その名もズバリ「赤坂表町」電停が存在していた。いまも通り沿いの「赤坂表町ビル」に名前を残している。


通りに面する高橋是清翁記念公園へ行くと、旧町名について書かれた看板があった。「新伝馬町」の表通り側だったから「表町」。町名としては「おもてちょう」だったが、地元住民は「おもてまち」と呼んでいたという。たまらないゆるさだ。


看板には、古地図も描かれていた。赤坂表町は、赤坂見附交差点から青山一丁目交差点にかけて、細長く配置されていたようだ。今いる場所は、旧赤坂表町3丁目ということになる。おおよその目星はついたので、さっそく信号機を探そう。


あれもちがう、これもちがう...

まずは、電停跡にほど近い「赤坂地区総合支所前」。模型と同じく矢印式の信号機が置かれていたが、方向は直進のみだった。模型は「直進と左折」だったので、ここじゃなさそうだ。


ちょっと赤坂見附寄りの「赤坂警察署前」は、直進と左折、そして右折の信号機。ちょっと多い。西に向かい、「赤坂郵便局前」「青山一丁目」の交差点も確認したが、模型と同じ組み合わせではなかった。




青山通り沿いは、すべてチェックした。こうなったら、周辺の信号機を手当たり次第、見ていくしかない。これも違う、これも違う、これも違う――。この日の最高気温は24度。額に汗がにじむ。


ちがう
ちがう
ちがう
絶対に、ちがう

これもちが......ちがわない! あった!!! 直進と左折!!!!



ぎりぎり旧町域


青山一丁目から南下した、外苑東通り沿いにあるこの交差点。さっきの地図で言えば「赤坂消防署」と「青山変電所」のはざまで、ぎりぎり旧赤坂表町の町域(4丁目)となる。


交差点には名称の標識が付けられていない。もし新たに命名できるのであれば、この機会に「赤坂表町交差点」にしてもよさそうだ。ということで、「赤坂表町交差点」のコラージュ画像も作ってみた。それが、冒頭にも載せたイメージ画像だ。


「赤坂表町交差点」イメージ

悠仁さまが、実際にこの信号機を参考にされたかはわからない。しかし、たしかに旧赤坂表町に「左折と直進」の矢印式信号機は存在した。それを知れただけでも、収穫だったと言えるだろう。