「あっ......つい!」――そう言わんばかりの表情で、若い女性が着ていたセーターを脱ぎ、右手に引っ掛けた。渋谷のスクランブル交差点、まぶしい日差しにうっすら汗ばみながら、人々は信号を待っている。


渋谷駅前の温度計は夏日一歩手前の23度を記録していた

2015年12月11日、日本列島は師走としては異例の暑さに見舞われた。三重県内の一部で夏日となったのをはじめ、各地で12月としての史上最高気温を記録、東京でも25度近くに達するところが出た。

つい一昨日には震えながら帰ったのに!

東京ではつい2日前、この冬一番の冷え込み(最低気温2.8度)を迎えたばかりだ。記者など、この日は文字通りガタガタ歯を鳴らしながら帰宅したというのに、それが一転してこの陽気である。


着ていたセーターを脱ぐ女性
不要になった上着を、わずらわしげに腕に掛ける人々が多数いた

冒頭にも紹介した通り、渋谷の街角では通行人の多くが分厚い上着を脱ぎ、シャツ一枚で歩く姿が見られた。中には袖まくりをする人、それどころか最初から半袖姿の人も少なからず見られ、とても師走の東京とは思えない光景が広がっていた。


分厚いコートはちょっとした大荷物である
袖まくりをしながら歩く人
暑いのはもちろん男性も同じだ
半袖でも問題なく過ごせるほどの暖かさ
外国人観光客などは、最初からTシャツ1枚だったり
温度計片手にレポする某局のクルー

「松岡修造と西川貴教が同時に来たような...」

著名人を含め、各地で思わぬ暑さに驚き戸惑う声が上がっている。

この暑さの原因は、フィリピン付近の強い高気圧から流れ込んだ暖かい空気とのこと。明日以降はさすがに今日ほどの暑さは続かないようだ。