レッドソックス・田澤純一【写真:田口有史】

米スポーツサイトが日本人右腕を高評価「静かに台頭してきた」

 レッドソックスのセットアッパー、田澤純一投手が2013年ワールドシリーズ制覇の名門で最も過小評価されている選手に選出されている。米スポーツサイト「ブリーチャー・レポート」が「各MLB球団で最も過小評価されている選手」と特集している。

 田澤は2009年にレッドソックスに加入。クローザーの上原浩治投手との日本人リレーはフェンウェイ・パークの見せ場の1つとなっている。

 寸評では「右腕はマイナー時代には先発ピッチャーとして多くの時間を過ごしたが、彼はメジャーに到達すると8イニング目を担う役割を切り開いた」とこれまでの役割の変遷を指摘。

 過去3年のデータも紹介されており、9イニング当たりの三振数は9・3、1イニングあたりの安打数+与四球数を示すWHIPは1・135、防御率は2・62と優れた成績を残している。47ホールドを記録し、この間のWAR(打撃、守備、走塁、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標)は3・6と指標上でも能力の高さを示しており、「彼は球界で最も頼れるセットアッパーの1人として静かに台頭してきた」と絶賛されている。

今季も開幕から圧倒的なピッチングを披露

 今季は開幕直後から圧倒的なパフォーマンスを続けており、記事でも13試合出場の段階で防御率2・19、5ホールド、WHIPも1・135というデータを紹介。「試合終盤の安定したピッチングは近年得難いものだが、彼はボストン・レッドソックスでそれを提供している」と分析している。

 スプリットと制球力、切れ味抜群のファストボールで「コウジ・タイム」と呼ばれるほどフェンウェイ・パークが盛り上がる上原の影に隠れがちだが、日本の誇るパワーピッチャーはメジャー屈指のセットアッパーとしての立ち位置を確立している様子だ。

 レッドソックスでは選外として、内野と外野をこなすユーティリティープレイヤーのブロック・ホルトと、左腕ジョー・ケリーの名前が挙げられている。