7日、東証2部に上場し、記者会見に応じるニフティの古河社長(撮影:常井健一)

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インターネット接続サービスのニフティ<3828>が7日、東京証券取引所第2部に上場した。午前に公開価格の21万円を4000円下回る20万6000円で初値を付け、20万3000円で初日の取引を終えた。公募2万7800株、売り出し5万2100株に対し、出来高は6万1333株、終値で算出した時価総額は462億円だった。

 同社は1986年2月、日商岩井(現双日<2768>)と富士通<6702>の出資で前身のエヌ・アイ・エフとして創業。91年に現社名に変更し、99年には富士通の完全子会社になった。設立当初はパソコン通信サービスを主力としていたが、インターネットの普及に伴いインターネットサービスプロバイダ(ISP)に事業転換。03年からはブログサービス「ココログ」を展開しており、全サービスで会員518万人を抱える。

 2006年3月期は連結売上高の8割超をISPなどのプラットフォーム分野が占めており、07年3月期の連結業績予想では売上高844億円(前年比23%増)、経常利益22億円(同38%増)、純利益12億円(同71%増)を見込んでいる。同社は、上場で市場から約54億円を調達し、ブログやボッドキャスティングなどプラットフォーム分野以外の事業拡大を目指した設備投資などに充てる。

 同日、東京都中央区の東京証券取引所で開いた記者会見で、古河建純社長は「プラットフォーム分野で安定収益基盤を築き、さらに利活用分野(ブログ等)で利益を上乗せできるよう、新サービスや先進技術に積極的に投資していく」と今後の方向性を示した。初値が公募価格を下回ったことについては「当社に対する評価として真摯(しんし)に受け止め、今後の業績や企業価値の向上に全社一丸で取り組んでいく」と語った。

 また、「上場したことにより、事業を大きく拡大していく上で、他社とパートナーシップを組むための土俵に上がったことになる」と他社との資本提携も視野に入れながら、親会社の富士通からの独立を目指す方針を示した。【了】

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