15日、都内で開催された「ダボス会議」(世界経済フォーラム年次総会)の東アジア地域会合に先だって行われた記者会見に臨む経済同友会の北城恪太郎代表幹事(左)とダボス会議創設者のクラウス・シュワブ博士。(撮影:常井健一)

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世界の政財界や学界のリーダーが一堂に会する「ダボス会議」(世界経済フォーラム年次総会)の東アジア地域会合が15日、東京都港区の東京プリンスホテル・パークタワーで、2日間の日程で始まった。ダボス会議関連行事が日本で開催されるのは初めて。インド、ASEAN諸国の経済・貿易関連の担当閣僚を始め、アジアなど世界27カ国から300人が参加し、「アジアの統合に向けた新たなる枠組みの構築」をテーマに話し合う。

 開会に先立ち同日朝に行われた記者会見で、ダボス会議創設者のクラウス・シュワブ博士(ジュネーブ大学教授)は、◆情報化社会の次に来る波として予想 される知識ベースからインテリジェンス(知性)ベースの経済社会への移行◆中国・インドの台頭─の2点をアジア地域共通の課題として提示。「知識(knowledge)はもはやコモディティ化(日用品化)してしまった。私はこれを『世界のグーグル化』と呼んでいる。競争社会で必要なのは継続的に知識を創出して、パッケージ化していく能力」と持論を強調し、イノベーション(技術革新)が企業以外に学校や行政機関でも起こる必要性を語った。

 60周年の記念事業として共催する経済同友会から出席した北城恪太郎代表幹事は「日本は環境技術やものづくりについては優れたものを持っているが、一方で消費者、高齢化、財政などの課題がある。アジアの人と議論し、理解を深めたい」と述べた。

 また、松下電器産業<6753>の中村邦夫社長、米製薬大手ファイザーのヘンリ・ マッキンネル会長ら共同議長7人も共同記者会見に応じた。マレーシアの石油会社ペトロナスのハッサン・マリカン社長は「日中韓の政治関係はあまり良い状況ではない。ASEANでもミャンマーに対して似たような状況にある。こういったことも意見交換ができれば」と訴えた。

 午前9時から始まった本会議では、二階俊博経産相も出席し、「アジアの成長モデル」を議題に各国のリーダーが意見を交換した。【了】

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