【ファンキー通信】自衛隊流「ムシキング」への道

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 去る3月7日の参院予算委員会で、小泉首相に「守秘義務が甘い! 大変遺憾である」と言わせてしまった、相次ぐ自衛隊の機密情報流出事件。海上自衛隊の護衛船から大量の機密情報がファイル共有ソフトを通じて流出した事を皮切りに、陸上自衛隊、そして航空自衛隊でも情報流出が報じられた。

 これは、国防を危険にさらす緊急事態である!

 ところが、その中に、とってもお役立ちな機密情報が含まれていた!! その名も、陸自サバイバルレシピ「昆虫の食べ方」なるもの。皆さんが日ごろから良くご存知の11種類の虫に関して、その調理法や味を20字程度で説明したものである。急に訪れた食糧難! とか、山で遭難!? なんていう緊急事態にはぴったりのこの機密情報。この内容、信憑性はいかほどなのかと思い、昆虫料理研究家の内山さんに聞いてみた。

 陸自のレシピには、「焼いたカブトムシの幼虫は香りも良く、一度食べたら病みつきになりそう。成虫は羽や足がこげる程度に焼こう」とありますが。

 「いやいや、焼いた幼虫が香り良く食べられるなんて言うのは、ありえない事なんですよ。昆虫の味という物は餌に左右されますから、腐葉土しか食べない幼虫はそのままでは土臭くて、食べられたもんじゃないんです。内臓を良く洗って、塩とおからを詰めて1週間ほど寝かせて臭みを抜き、もう一度洗い、今度は塩と唐辛子などを詰めて本漬けにする。こうして1ヶ月漬け込む事で、何とか食べられるようになるんですよ。その点、成虫は蒸し焼きにして中身を食べると、発達した飛翔筋がおいしいです。カブトムシは樹液を好みますから臭みも殆どないですし。おすすめですよ」(内山さん)

 幼虫を食べるのは結構大変なようですね〜。プリプリしててなんだか美味しそうなのに。では次に、「クモは、足をとってから食べる。味はチョコレートそっくり」という風に書いてあるんですが。

 「この風説、昔からあるので皆さんそう思ってらっしゃるようなんですけど、大嘘なんですよ。つぶした時に出る、どろっとした体液がチョコレートを連想させるということはありますが、チョコレート味はしません。でも、他の昆虫と違って外皮が柔らかで食べやすいですし、淡白で美味しいんですよ。から揚げにすれば足もぱりっと食べられますし、さっと茹でて塩・コショウでいただくと美味しいです」

 チョコレート味を期待していたのに、ちょっと残念・・・。

 ちなみに内山さんが、今まで昆虫料理の研究をされてきた中で一番美味しかった物は、海老天そっくりの「蝉の幼虫」だそう。

 昆虫はその辺にいっぱいいるので、捕まえて、ぜひ食してみよう! と言いたいところなのですが、中には蛍のように発行部分に毒を持つものもあるのでご注意を! (小川晶子/verb)

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