19日、千葉市の幕張メッセで行われた「第39回東京モーターショー」のプレスデーでレクサスのコンセプトカー「LF-Sh」を世界に先駆けて公開するトヨタの渡辺捷昭社長(左)と吉田健・レクサスセンター長。(撮影:吉川忠行)

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19日、千葉市の第39回東京モーターショーの会場。「隣接のブースでは、レクサスが目指す高級の本質への取り組みを紹介している。特に旗艦セダンの最新のコンセプトカーを、後ほど世界で初めて披露するので期待してほしい」と、渡辺捷昭社長が締めくくったトヨタ自動車の記者発表が終わると、後方にある同社の最高級ブランド「レクサス」の展示ブースに向かって、詰め掛けた報道陣ら数百人が一同に“大移動”を行った。

 北米で1989年に開始したブランドの国内展開をスタートさせた「レクサス」は、今年8月に日本上陸し、「GS」(旧アリスト)、「SC」(旧ソアラ)の2車種の販売を開始。9月下旬に「IS(旧アルテッツア)」を投入した後、来年夏の「LS(現セルシオ)」発売まで既に決まっており、競合のBMWやベンツからの“乗り換え”を想定しているようなラインナップの充実が図られている。この日一番の盛り上がりを見せた「レクサス」のコンセプトカー発表会場の様子は、“次”の市販モデルの発表を待ち望む関心の高さを浮き彫りにした。

 白亜の神殿のようなレクサス発表の舞台から「心に深く刻まれる、ときめきと安らぎに満ちた時間をお届けする」と出迎えた吉田健・レクサスセンター長(トヨタ常務)は、新たにブランド最高峰へ位置づけた4ドアセダンのコンセプトカー「LF-Sh」(全長5.06メートル、全幅1.875メートル、全高1.465メートル) を世界で初めて公開。詳細は明らかにされなかったが、低燃費のV8エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載して、「卓越した動力性能による走る喜びと環境性能をかつてない次元で両立させた」(吉田センター長)。4輪駆動システムで、駆動力の安定性も確保したという。

 同じく初公開となった「LF-A」(全長4.4メートル、全幅1.86メートル、全高1.22メートル、定員2人)は、今にもサーキットを疾走するかのような流線型のボディラインが特徴の2シータースポーツのコンセプトカー。「F1で培った理論と技術を凝縮した」(吉田センター長)とする同車には、新開発のV型10気筒エンジンを搭載して、異次元の走りを実現したという。

 また、世界初のFR乗用車専用に開発されたハイブリッドシステムを搭載した「GS 450h」(全長4.825メートル、全幅1.82メートル、全高1.43メートル、定員5人)も発表。新開発のエンジンは3.5リットルのV6で、4.5リットルエンジン車並みの加速性能と2リットル車並みの低燃費を両立。モーターパワーは、高速クルーズ用と加速用の2段階モード、先端技術を組み合わせると、スポーティーなハンドル操作と高度な旋回走行が楽しめる。

 レクサスは8月30日、全国143店の専売店が一斉に開業。専用研修施設「レクサスカレッジ」で訓練を受けたスタッフが高級ホテル並みの接客でもてなし、「最高の商品」「最高の販売・サービス」といった高級路線を推し進める。始動1カ月間の受注台数が、GSが約4000台(目標1100台)、SCが約600台(同100台)の計4600台となり、当初目標の4倍に近い順調な滑り出しを見せた。

次回は三菱自動車を予定。【了】

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