三輪バイクは、どんな免許が必要?「傾くならオートバイの免許、傾かないなら自動車」

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7月1日に、国産初の三輪バイクが発売開始された。海外メーカーからも多くの製品が登場しているので、これからは三輪が当たり前になるのかも知れない。

三輪バイクに乗るなら、どんな免許が必要なのか? オートバイ=二輪の意味なら、三輪には別の免許が必要なイメージがあるが、サイドカーを取り付けたバイクも存在するし、クルマの免許が必要な製品もある。大まかにいえば、カーブで傾き、幅が狭い三輪バイクは、オートバイの免許で運転できるのだ。

クルマとオートバイの境界線

オートバイの免許は、エンジンの排気量と変速機の種類によって異なる。国産初の三輪バイは、

・排気量=125cc

・変速機=自動

なので、前二輪+後一輪の構造を除けば、「第二種原動機付自転車」に分類される。原付の名がつくものの、自動車の免許で乗れるのは50ccまでなので、この三輪バイクを運転するためには「AT小型限定普通自動二輪免許」以上の、オートバイの免許が必要になる。

対して、世界的に有名なバイクメーカーの三輪バイクは、

・排気量=1,700cc

・変速機=マニュアル

で、前一輪+後二輪だ。こちらは「トライク」と呼ばれ、自動車として扱われるのでヘルメットも必要ない。逆にいえば、オートバイの免許では運転できないのだ。

三輪バイクとトライクの違いはなにか? 警視庁の資料から、「三輪の自動車」の条件をあげると、

・タイヤが3つある

・左右対称の構造

・左右のタイヤの間隔(=トレッド)が460mm未満

・カーブのときに傾く構造

とされ、前二輪/後二輪の差でも、排気量や変速機の違いでもない。大ざっぱにいえば、幅が狭くてカーブで傾けば三輪バイク、幅が広いか傾かない構造ならトライクに分類されるのだ。

■同じ三輪でも、免許が違う?

サイドカーはどちらに区分されるのか? これは「側車付オートバイ」に区分され、基本的な扱いは二輪車と同じになる。確かにタイヤは3つあるが、左右対称ではないので、三輪バイクとは呼べないのだ。

三輪バイク、サイドカー、トライクの条件を整理すると、

・区分 … (三輪)オートバイ / (サイドカー)オートバイ / (トライク)自動車

・免許 … (三輪)オートバイ / (サイドカー)オートバイ / (トライク)自動車

・税金 … (三輪)オートバイ / (サイドカー)オートバイ / (トライク)オートバイ

・ヘルメット … (三輪)必要 / (サイドカー)必要 / (トライク)不要

三輪バイクとサイドカーがオートバイ扱いなのは理解できるが、自動車の免許で運転でき、ヘルメットも不要なトライクは、税金のみはオートバイ扱いのお得な存在なのだ。

もし、違う免許で運転したらどうなるのか? 三輪バイクを自動車の免許で運転しても、その逆のパターンでも「無免許」となる。オートバイの場合、排気量の大きい免許を取れば、それ以下のバイクを運転できるし、自動車の免許で「原付」に乗っても違反ではないが、四輪と二輪の免許は別枠なので、それ以外を運転することができないのだ。

自動車免許しか持っていないけど、どうしても三輪バイクに乗りたい!ひとには、ピザの配達でおなじみのバイクがオススメだ。こちらは三輪バイクでもトライクでもなく、普通に「原付」として運転できる。荷物も積めるし低速でも転ぶ心配がない。

雨風を防ぐ大型ルーフやワイパーも装備されているので、トライクよりも自動車に近い存在と言えるだろう。

■まとめ

・傾く構造なら三輪バイク、傾かないとトライク

・三輪バイクはオートバイの免許、トライクは自動車の免許が必要

・トライクは自動車扱いなので、ヘルメット不要

・自動車免許で三輪バイク、逆のパターンも、無免許運転

三輪バイクのメリットは、低速やブレーキをかけたときの安定性とうたわれている。

交通事故が減ることを祈ろう。

(関口 寿/ガリレオワークス)