1点目をヘッドでねじ込んだ栗原(写真右)。柿谷と抱き合い喜びあった。 (撮影:CSPA/フォート・キシモト)

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【ドローに終わった中国戦。だが柿谷と高萩は前田と本田の代役として合格点の働きを見せた】

国内組で臨んだ今大会、一番の目的は選手の発掘による底上げだ。前田遼一の代わり、本田圭佑の代役と遠藤保仁の後継者は誰か。長身CBとサイドバックのバックアッパーなど、欲を言えばきりがない。とりわけ深刻な得点力不足の解消と、俊足FWの発掘は急務でもある。

こうして迎えた中国戦、攻撃陣には一筋の光明が差した。トラップを武器にする柿谷曜一朗は、速くて強いパスも苦にすることなく足元に収め、巧みな駆け引きからポスト役を果たした。

試合後、柿谷はこう語った。「工藤(壮人)君がボールを持った時はしっかり収めて裏に出してあげる。(原口)元気君には足元に落とすと自分なりに整理(していた)」

その言葉どおりのプレーで味方を生かしつつ、天性のボールコントロールによるヘッドで代表初ゴールも決めた。

トップ下の高萩洋次郎もトラップの巧さが光る。プレスを受けても余裕のあるプレーでマークをかわし攻撃陣をリードし満足感もあったようだ。

「3点目につながるボールを出せた。ああいう形でカウンターからゴールを奪えるのは強みになると思う」

ボールを奪って高萩の1本のパスと、柿谷の高速ドリブルが工藤の初ゴールに結びついた。ザックジャパンに欠けていた、攻撃陣による速攻からのゴールである。3失点はしたが、攻撃陣は収穫が多く、次の試合が楽しみになる初戦だったと言えるだろう。

■東アジア杯/初戦/2013年7月21日
日本 3−3 中国
(会場:韓国・ソウル)