中国船舶重工集団のウェブサイトは20日、中国国家科学技術部「核動力船舶コア技術・安全研究」863プロジェクトおよび「小型原子炉発電技術およびそのモデル応用」科学技術支援プロジェクトが、正式に始動したとする情報を発表した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

 業界関係者は、「これは中国が原子力空母もしくは類似する大型艦艇の研究に着手していることを意味する」としており、原子力空母の関連株が高騰した。

 アナリストは以前、「中国はその空母戦略において、初めに通常動力空母を発展させ、技術の成熟を待ち原子力化を目指す」と推測していた。中国初の空母「遼寧艦」が海軍に就役し、中国は今後、原子力空母の建造に着手する見通しだ。原子力艦艇の技術は、原子力空母と密接に関連している。

 原子力空母は通常動力空母と比べ、航続距離の面で強みを持つ。一般的な原子力空母は核燃料を30年間交換する必要がない。また原子力空母の動力システムは広いスペースを占めないため、甲板に幅広い空間が確保することができ、より多くの艦載機を搭載できる。これは一般的な空母と比べ、大きなメリットであると言える。

 方正証券の設備業界のアナリストは、「中国は今後5年間で、遼寧艦と国産空母による、2つの空母戦闘群を形成する可能性がある」と主張した。世界的な空母の建造価格に基づき推測すると、2隻の空母戦闘群の建造には、1500億元(訳2兆2200億円)が必要とされる。2015年に上述した空母が竣工する場合、毎年の市場規模は300億元(訳4440億円)に達する。産業チェーンにおいて、船体の建造および艦載機が最大の利益を得ることになるだろう。(編集担当:米原裕子)