中国・遼寧省丹東市で1月末、市内の病院で使い捨ての注射針を使いまわしたことにより同病院で治療を受けた患者120人がC型肝炎に集団感染した疑いが浮上し、外科医師が公安当局に身柄を拘束された。中国メディア・中国国際放送局が6日伝えた。

 問題が発生したのは、同市内にある社会保険外来診療部。同診療部で治療を受けたのち体調不良を訴えた十数人の患者が1月28日に市の衛生局を訪れて同診療部を訴えた。

 昨年10月に静脈疾患により同診療部でももに静脈注射を受けた患者男性は「まず使い捨て注射器で血を抜き取り、血を捨てたあとでそのまま塩水入りの瓶に針を刺してすすぎ、それから薬品の瓶に針を刺して薬液を取り、患部に注射した」と当時の様子を語った。医師は自分の次の患者に対しても同様の操作を行ったという。

 この患者は3カ月間治療を受け続け、症状が改善したものの、今年1月に入ってめまいやだるさなどの症状が出た。別の病院で検査を行ったところ、C型肝炎への感染が確認された。

 現地の衛生当局は、同様の治療を受けた患者120名を集めて血液検査を実施し、C型肝炎に集団感染した疑いがあるとの判断を下した。公安当局は2日、治療を担当した外科医師の身柄を拘束し、取り調べを開始した。(編集担当:柳川俊之)