2ヶ月で文字が消えて読めなくなる本がアルゼンチンで出版
「後で読もう」「時間がたっぷりある時に読もう」と本を読まずに積んでおいたはいいものの、読みたい本が次から次へとやってきて結局読まずじまいになってしまった、という経験がある人も多いはず。そんな事態を防ぐために2ヶ月で文字がすっかり消えてしまうという本がアルゼンチンで出版されました。この出版方法はラテン文学の新人作家の本に適用され、人々に「本を読まなきゃ」という意識を持ってもらい、本を購入後すぐに読んでもらうことによって新人作家の出版を次につなげていこうという試みです。
http://www.psfk.com/2012/06/disappearing-words-book.html
The Book That Can't Wait - Eterna Cadencia - YouTube
小説などの本は買ったまま読まずに本棚に並べてそのまま1年がたってしまった……ということも少なくありません。
しかし作家、特に新人作家にとって読んでもらえないということは死活問題で、新しい本が出せないと作家を続けられなくなってしまいます。
そこで、アルゼンチンの自費出版社Eterna Cadenciaが新しく作り出した書籍が「待てない本」です。
この本は特別なインクによって印刷されています。
インクは太陽の光と空気に触れると2ヶ月以内に消えてしまい、本を読むことが不可能になってしまいます。
製本方法は以下の通り。まず特別なインクを使って文字をプリント。
文字はこんな風に紫色に印刷されます。
印刷した本にカバーを付けます。
そしてこれまでの本と最も異なる点は、本をパッキングするということ。
しっかりと密封して本が空気に触れないようにします。
このおじさんが購入した時、本にはしっかり文字が書かれていますが……
おじさんのヒゲが伸びるにつれて、つまり時間が経過すると読める部分が段々少なくなっていきます。
そして白紙のページが続くだけの本に。
アルゼンチンでは実際にこの方法で本が販売されており、何百人もの人々がこの書籍を購入しています。
パッケージを開けた瞬間に残り2ヶ月のカウントダウンが開始。
「人々に本を読んで欲しい」という切実な願いを叶える出版方法です。
これによって新人作家の本は人々にちゃんと読まれ、2冊目、3冊目と作家生命が続いていくというわけです。
この技術が出版社の古本・中古本対策などに応用されないことを祈るばかりです。
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