2011ー12シーズンはレアル・マドリードが優勝しました。
2008ー09シーズンから2010ー11シーズンまではバルセロナが3連覇。
しかし、今シーズンで2期目となるジョゼ・モウリーニョが、
レアル・マドリードをリーガ・エスパニョーラで32回目の優勝へ導きました。
果たしてモウリーニョとはどのような人物であり監督であるのか?
そして、数々のタイトルを手中にしてきたサッカーとはどのようなものであるのか?
それを過去の4つのエントリーから探る。

○ 【2011/05/19】 ジョゼ・モウリーニョのサッカーの特徴とは? その強さの秘密とは? 守備が7割から8割で、守備から主導権を握るカウンターサッカー。

個人的に思う、モウリーニョのサッカーの特徴というのは、やはり守備にあると思っています。どのような守備なのかと言うと、「4−3」や「4−2」、つまり、基本的には、7枚ないし6枚で作る守備ブロック、そこに強さを作るのが、モウリーニョのサッカーの7割〜8割なのではないかと思っています。

具体的に言うと、基本的には、その守備ブロックを作る7枚ないし6枚のポジションの選手には、守備ができる選手、守備に強い選手、そういう選手しか置かない。但し、1つ特徴的なのは、左右どちらかのSBには、攻撃的な選手を置く事が多い、という事ですね。

その事も念頭に置きながら、もう少し守備、守備ブロックの話を進めると、ボランチには運動量が豊富な選手を揃える事が多く、意外とアンカー的な選手を置く事は好まないのかな、という気がしています。ダイナモタイプではないとしたら、レジスタ的な選手を置くのかな、という感じですが、しかし、アンカーとレジスタ、その両方の役割を兼任させる事が多いように思います。

そして、その理由ですが、ボランチに運動量が豊富な選手を置くというのには、4つのメリットがあるからだと思っています。つまり、「? ハイプレスが可能」、「? セカンドボールに対する奪取力が上がる」、「? 人に対して強さが出る」、「? カウンターに威力が出る」、という4つですね。

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○ 【2011/05/31】 前編。WOWOW、ノンフィクションW、「王者の資質」、ジョゼ・モウリーニョ、という番組を観て思った事を少し。

「私は3つの国で2度のヨーロッパ制覇と6度のリーグ制覇、カップ戦も含めて17回優勝してきた。『結果は二の次』なんて言葉は敗者の自己防衛にすぎない。なんの役にも立たない考え方だ」

「私は感じの悪い人間だ。そして勝ち続けてきた。人々は私が失敗するのを心待ちにしていることだろう」

「私は革命的な人間ではない。ただ明確なやり方を持つひとりの男であり、それが大事だと思っている」

「レアル・マドリードは月にまでその名が轟くトップクラブ。その監督である私は、いわばトップの中のトップになったわけだ。だが、この物語はまだ始まったばかり。もちろん書き上げるのは私だ」
「偉大な人物は何回か大勝したくらいで騒いだりしない。もっと大きいものが欲しいからだ」

「勝ち続けるにはモチベーションが必要だ。だから私は変化を好む。目標を達成すれば指揮をとるクラブも変えてきた。勝利に飢えたクラブで働くことは私にやる気をもたらしてくれる。なんとしても勝ってやろう。そんな欲望がわいてくる。私が勝ち続けてきた秘密はそれだよ。満足しないように生きてきたからだ」

「私の哲学は簡単なものだ。1対0で勝つよりは4対2で勝つほうがいい。だが4対5で負けるくらいなら1対0で勝つほうを選ぶ。勝つことで人々は結束する。チームが勝ったり、快挙を成し遂げたり、大きな目標を達成したとき、大きな共感が生まれ、監督と選手の距離も近くなる。これが大きな力になる。勝利がチームの問題を解決させていくんだ」

「フィジカルトレーニングは否定していない。他とは違う方法でやっているだけだ。仮にあなたがピアノをうまく弾きたいなら、練習でピアノの周りを走るかね? そんなことはないはずだ。ピアノを弾くだろう? サッカーも同じだ。グラウンドの周りを走って、いいサッカーはできない。それは完全に原理から外れている」

「私は優れた選手たちを、さらに上手くすることはできない。私はC・ロナウドにキックを教えることはできない。カシージャスにセービングも教えられない。だがチームで戦うことを教えることはできる。すべてはそのための練習だ」

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○ 【2011/06/01】 中編。WOWOW、ノンフィクションW、「王者の資質」、ジョゼ・モウリーニョ、という番組を観て思った事を少し。

「私の力は誰よりも私自身が信じている。来シーズン、我々は優勝する。間違いなくね」

「チェルシーには最高の選手がいる。そして、最高の監督がきた。私はヨーロッパチャンピオン。大勢の中のひとりではない。私はスペシャルワンだ」

「誰が何と言おうが関係ないね。歴史を作るのは結果だ。私は何も怖れない」

「勝つために必要なのは、すでに勝ち取ったものを忘れることだ。それは過去でしかない。」

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○ 【2011/06/05】 後編。WOWOW、ノンフィクションW、「王者の資質」、ジョゼ・モウリーニョ、という番組を観て思った事を少し。

「いや、監督や審判を夢見る子供など、世界中を探してもいないはずだ。サッカーをしている子供はみんなサッカー選手に憧れる。だが私はいい選手ではなかった。その他大勢の一人にすぎなかった。だが監督としての才能はある気がした。私の父が選手から監督となり、それを間近に見てきたせいもあるだろう」

「これは私の人生の哲学だ。この競争の激しい世界で生きるなら、自分は誰にも負けないと信じるべきだ。どんな強大な相手でも怖れてはいけない。リスクを怖がってはいけない。私が建築家なら、どんなひどい評価を受けるものを作っても、自分だけは信じられないような傑作を作ったと思うだろう。これが競争世界で生きる、プロフェッショナルの持つべき哲学だ」

「なにより大事なのは自分らしくあることだ。誰かのまねをしようなんて考えてはいけない。私の全てを知ることはできない。だから、私をまねても私にはなれない。その人だけの人生、性格、アイデア、そこが出発点であるべきだ。私を超えたいと思うなら、まずは自分自身を知ること。自らのスタイルを決め、それを貫かなければならない。恐れることなく、自分を信じて進むことだ」

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