■世間一般のサッカー選手に対する評価

「実は社内にも、『Jリーガーでサッカーしかやったことない人間を採用していいのか」という声があったのも事実』

こう明かしたのは、21日に日本プロサッカー選手会(JPFA)と共同でセカンドキャリア支援を目的としたプログラムを新設したことを発表した来店型保険ショップ・ほけんの窓口グループを全国で約250店舗展開する株式会社ライフプラザホールディングス代表取締役社長の今野則夫氏だ。
同社は、すでに横浜F・マリノスや横浜FCのオフィシャルクラブスポンサーを務めるなど、サッカー界とのつながりを深めており、個人ニーズに合った商品の最適化を来店型で行なうことで急成長を遂げている保険業界の革命児的存在。すでに元プロ野球選手が2名、元Jリーガーが1名在籍しており、3月には昨年まで柏、鳥栖、栃木などでプレーした落合正幸氏も入社している。

冒頭に出た発言は、今野社長の印象、感想ではない。社長はむしろ、学生時代にアメリカンフットボールに打ち込んだ経験を持つことから、「プロサッカー選手になる以上、本当に厳しい努力を重ね、人に言えない苦労をしてきている」とサッカー界に期待を持っている。しかし、世間一般、特にビジネスの世界では一つのことを突き詰め、プロにまで上り詰めたそのプロセスや成果を認めることよりも、「サッカーしかやったことがない」といういわゆる“サッカー馬鹿”の評価の方が一般的だ。

■Jリーガーのステイタスを高めていくために
選手会執行役員の清岡哲朗氏によると、Jリーグにおいては、「毎年100人前後の選手が引退していく中で、大半の選手が一般企業に就職していない現状がある」という。更に、Jリーガーの平均引退年齢は約26歳と若く、そういった選手たちは「引退後のプランを明確に持っていない」ため、路頭に迷う選手も多い。

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■著者プロフィール


小澤 一郎

1977年、京都市生まれ。サッカージャーナリスト。スペイン在住歴5年を経て、2010年3月に帰国。スポナビ、footballista、サッカークリニック、サッカー批評、サッカー小僧、ジュニアサッカーを応援しよう!などで執筆中。

著書に『スペインサッカーの神髄』(サッカー小僧新書)がある。また、「まぐまぐ」より、メルマガ『小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」』を配信中。

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