アリゾナ州サプライズは、気温12度。風速8m。前2回の登板と大きく違う点が2つ。まず、捕手が正捕手のマイク・ナポリに代わった。そしてダルビッシュはワインドアップで投げた。今日のMLB公式情報は、球種の判断がかなりおかしい。VTRを見ながら独自に判断した。

Dar20120319




初球は、定規で線を引いたような角度のある4シーム。低めに外れたが、前2回の登板とはっきり違うと思わせる。2球目ファウル。ウィークスは振り遅れている。空振り、最後は明らかにすっぽ抜けた高めのスライダーだが、主審タンペーンがストライクを取ってくれた。

この三振でダルは乗ってきた。4シームが唸りを上げる。モーガンも振り遅れ気味の1ゴロ。

注目のライアン・ブラウンとの対戦は、外角に抜群の4シーム、2球目も外れたが良い4シーム。ブラウンはこれで体が前のめりになって、スライダーをポップフライ。

一転、2回のダルはバランスが崩れた感じになる。4シームが低めに外れる。トラビス・イシカワを歩かせる。最後の2シームは入ったと思ったが。
ここでセットアップに変わる。やや窮屈な感じ。

ゴンザレスにはスライダーを打たせる。かなり伸びたがハミルトンがキャッチ。スライダーのかかりが甘い。

コッタラスは3球とも動き方が違う速球系で三振。下位打者が初対戦で打つのは難しいと思わせた。

ルクロイは、2-1からスライダーがすっぽ抜けて死球。スライダーに課題が残る。

そして青木。非常に打ち気にはやっているのが見て取れる。2-2まではうまく攻めたが、4シームをゴロで抜ける安打にされる。いい当たりではないが、腰の回転で球をセンターに運んだ。四球の走者イシカワが帰還。良くないパターン。

これで目が覚めたか、イズトゥリスを三球三振。

3回、打者一巡して先頭ウィークス。小さなスライダーから入る。ウィークスは狙い球を絞りきれない感じで二打席連続三振。

モーガンには2シームとカーブを織り交ぜるが、なかなかストライクが入らない。モーガンはひっかけて一塁ゴロ。さらに粘られると苦しいところだった。1人に投げた球数7、は3度の登板で最多。

ブラウンは速球系を待っていた。いい当たりのライナーだったが、マーフィーがとって三者凡退。

気温はさらに下がったのではないか。曇天。投球がやや不安定なのは寒さの影響もあるのかもしれない。

4回、きわどいところをストライクに取ってくれない。スライダーだけでなく速球系もコントロールが不安になる。またイシカワを歩かせる。セットポジション。

ゴンザレスの3球目ワイルドピッチ、イシカワ二進。小さな変化のスライダーが決まって三ゴロ。

コッタラスは4球で歩いたが、審判が低めに辛いという感じもする。

そしてルクロイは速球系で攻めてバットが折れる三ゴロ、ダブルプレー。

ダルビッシュは今後、審判との相性に苦しむかもしれない。今日のジャッジは明らかにばらけていた。また、セットポジションになると4シームでも150km/h出ない。ボールを置いている印象がある。

安打はほとんど打たれないが、四球を出して失点する。球数が増える。松坂大輔とそっくりだ。「俺が抑えてやる」という気持ちが強すぎて、独り相撲を取ってしまうのだ。日本のエース級投手が陥りやすい陥穽だ
MLBの打者の多くはきわどいところはしぶとく見ていく。これがNPBの打者との最大の違いだ。ストライクを取っていかないと、バットを振ってくれないのだ。ストライクゾーンで勝負をする必要がある。。四球を出すよりも安打を打たれる方がましなのだ。

それでも4回1被安打70球1失点。試合が作れるのはダルが良い投手である証拠だ。前回は速球が決まらなかったが、今回はスライダーがほとんど抜けていた。

NPBでは打者に対し圧倒的優位に立っていたが、MLBでは威圧感はない。特に下位打線に粘られると調子が狂う。ここ数年、ダルは下位打者を八割の力で悠々と打ち取っていただけに、違和感を抱いていることだろう。
フィジカル面だけでなく、メンタル面での調整も重要だと思われる。

今日の青木は、良い当たりではなかったがダルから安打を打ったことで気を良くしたか、2打席目もセンターにクリーンヒット。すかさず盗塁。元気なところを見せている。