アルガルベカップ決勝です。
この大会はグループリーグで勝ち抜いたら決勝トーナメントではなくて、即、順位決定戦なんですね。したがって、グループリーグで1位になった日本は、決勝を戦います。
決勝の相手はドイツです。日本にとってはドイツは普通にFIFAランキングが自分たちより上の強豪なんですが、ドイツにとってはW杯で負けた相手、しかもそれによってロンドン五輪の出場権を失ったという、否が応でもモチベーションが上がる相手です。

日本は、宮間をボランチに持ってきました。それと、CBの熊谷とSBの近賀を外してきました。この大会の佐々木監督は、勝負より新戦力の発掘や今までとは違ったポジションや組み合わせの起用で、いろいろ試しているように見えます。全てはロンドン五輪の準備という位置づけなんでしょう。それでいてアメリカに勝って決勝に進出したのは凄いですね。

立ち上がりからドイツペース。日本はボールを持っても前線へボールが渡る前に悉くカットされてしまい、ほとんど日本は攻撃できません。ボランチのところが狙われていたみたいですね。鮫島は全く上がれないし、川澄も守備に忙殺されるし、非常に苦しい展開。

前半20分、ロングボール一発で日本左サイドに放り込まれてクロス、ニアで合わされて失点。ちょっと鮫島と宇津木の寄せが甘かったか。さらに、22分、CKから頭で合わされて2失点目。岩清水の頭の上から叩きつけられましたね。
このシーンの前にも何回かドイツの選手のトラップが上手かったら大ピンチというシーンが何回かあったんで、今日の日本の出来からすると失点は当然か。日本のCBと相手FWの競り合いはほとんど相手が勝ってるし。

それでも、35分、やっと前線でボールを持てた川澄が相手DFをかわしてゴール!なんとか1点を返しました。それまでパスパスで繋ごうと失敗していたところを安藤梢のドリブルで挟んでからスルーパスが功を奏したようです。とても綺麗な流れのゴールでした。

後半、DFに問題ありと見たか、熊谷、近賀を投入、それとボランチの一人を田中にしてきました。佐々木監督は、テストは前半だけにして、後半は勝負に出たようですね。でも、有吉を残して鮫島を下げたのがよく分からない。鮫島は体調でも悪いのかしらん?

交代が功を奏したのか日本はパスを繋げるようになって、9分、ショートコーナーから川澄がゴールライン際をドリブルでかわして最後は田中が押し込んで同点!!

後半は20分過ぎくらいからドイツの足が止まり始めて、日本の攻撃がかなり効き始めました。この時間帯に逆転しておきたかったですね。そして、この試合のドラマは終了間際に待っていました。

42分、エリア内で後ろから追いかける形になった有吉が手をかけてPK。焦ってしまったんでしょうが、与える必要のない余計なファールでした。
45分、代わって入った高瀬のクロスをドイツのGKがキャッチミス、永里が押し込んで同点!
やった!と思った直後、DFラインの間を突かれて三たび突き放されてしまいました。これは油断かなあ。熊谷が釣り出された後に、宇津木と有吉の間が空き過ぎてましたね。

結局、3ー4というドラマティックな試合で日本は残念ながら2位に終わりました。
でも、最初にも書きましたが、佐々木監督がロンドン五輪に向けてのテストの色合いがかなり強い采配をしていたにもかかわらず、アメリカを破り、ドイツを苦しめての2位は大きいですね。しかも、大黒柱の澤抜きですからね。

選手個人の話をすると、俺たちの熊谷紗希はなでしこジャパンに欠かせない選手に成長しましたね。それと、このチームは宮間のチームですね。前半ボランチをやってた時は狙われて思うようになプレーが出来ませんでしたが、後半にいつもの左サイドに移ってからは日本全体の攻撃がうまく回りだしました。(ドイツの足が止まったこともあるけど)

この大会では優勝はできませんでしたが、日本がW杯で優勝したのは、単なる運では無かったということが証明できた大会だと思います。これはロンドン五輪にも期待できますね。楽しみです。