今年も『メジャーリーグ完全データ選手名鑑』が間もなく発刊される。すでに2004年から9冊の歴史を重ねている。MLBの様々な動きを記した「定点観測」の役割も果たしているのだ。


この本には毎年600〜700人の選手が紹介されているが、巻末には所属がまだ決まらない有名選手を「所属先未定選手」という形で掲載している。多くはベテランで力が落ちたり、年俸が高かったりして球団のニーズに合わない選手たちだ。

2009年 
投手、ベン・シーツ、オリヴァー・ぺレス、ランディ・ウルフ、ホワン・クルーズ、シドニー・ポンソン、ジョー・バイミル
野手、アダム・ダン、ボビー・アブレイユ、ケン・グリフィーJr.、オルランド・ハドソン、オーランド・カブレラ、ギャレット・アンダーソン、イヴァン・ロドリゲス、タイ・ウィギントン

2010年
投手、高橋尚成、エリック・ベダード、ブレイダン・ルーパー、ペドロ・マルチネス、リヴァン・ヘルナンデス、王建民、大家友和
野手、ジョニー・デイモン、ジャメイン・ダイ、フェリーぺ・ロペス、オルランド・ハドソン、カルロス・デルガド、ラッセル・ブラニャン、ハンク・ブレイロック、マイク・ジェイコブス

2011年
投手、フレディ・ガルシア、デニス・レイエス、チャド・ダービン
野手、ベンジー・モリナ、スコット・ポドセドニク、ホセ・ギーエン、ラッセル・ブラニャン


こうしてみると、意外に引退した選手はそれほど多くない。所属未定先選手の多くは開幕時にはどこかの球団に所属し、数字を残していることが解る。みんなしぶとく生き残っているのだ。

今日の時点で所属先の決まらない主要なFA選手

投手

FA-PITCH-20120220


野手

FA-BAT-20120220


毎年のように「所属未定」リストに載りながら、キャリアを重ねていく選手を見ていると、MLBでプレーする選手の真価は、頂点を過ぎてから発揮されるのではないかと思えてくる。イヴァン・ロドリゲスなど大選手たちは悠々と声がかかるのを待っているのだろう。

まるで親戚の大学生の就職先が決まらないことに気をもむような心境で、松井秀喜の処遇を気にしている毎日だが、ここから松井秀喜の最終章が必ず始まる、と思ってゆったりした心境で待つことにしたい。