1月25日、テキサス・レンジャース=TEXから、ダルビッシュ有のポスティング交渉権費用5170万ドル余(約40億円)が、日本ハムの口座に振り込まれた。人の財布の中身を斟酌するのは不躾ではあるが、まだこの金は手つかずだと思われる。結局ダルビッシュ有が抜けた補強は一切していない。大穴があいたままである。

NF-2012Pitch





ダルが抜けてもケッぺル、ウルフ、武田勝という投手陣が使える上に、斎藤佑樹、吉川、糸数、中村勝など若手の底上げが期待できることがあろう。八木智哉が使えるかどうかは疑問だが。

斎藤佑樹は結局「相対的優位」で野球をする投手だと思う。ダルのように絶対的優位で相手を抑え込むのではなく、相手よりも常に少しだけ優位、という投手。その小さな差分を合わせて勝利に導くタイプだ。吉井コーチが斎藤に「速球で勝負するというのは、もっと速い球を投げるいうことではないで、ほなまた」と言っていた意味がわかるような気がする。怪我さえしなければ10勝くらいは上げそうだが、同じくらい負けそうな気もする。

救援陣は、榊原、増井、宮西、谷元、石井裕と使える中継ぎがそろっている上に、武田久が復活。他チームと比較してもそん色はない。

今となってみると日ハムは菅野を本気で獲得しようと考えていたこともわかる。ダルの後釜にしようとしていたのだ。

数字的にはかなり下落しているが、ソフトバンク、西武が戦力ダウンさせている中で、相対的にはあまり戦力ダウンしていない。

最近のペナントレースを見ているとNPB、MLBともに「現状維持」で、守りに入ったチームは、順位を落としているケースが多い。
日本ハムが「攻める」「手を打つ」重要性に気がついたときに、手遅れでなければよいのだが。