日本競馬界の記録を塗り替えた種牡馬、サンデーサイレンスが没して今年で10年。昨年は、武豊騎手の中央GI連勝記録がストップするなど、世代交代が進む競馬界。そこで今年狙い目の“買い銘柄”を紹介しよう!

     *     *     *

■おいしい銘柄を探し出すべし!

 2012年、最新の競馬の“買い銘柄”。まずは騎手からいってみよう! 昨年の有馬記念で3連単7万8260円を○◎▲でミゴト的中させた、『日刊ゲンダイ』の本紙担当・片山真氏が言う。

「松岡、三浦、丸山、田辺と、関東だけでも毎年ニューヒーローが誕生している近年の競馬界。今年は津村明秀騎手がイチ押しです。理由は……。今、大注目のテニスプレーヤー、錦織圭選手に顔がそっくりだからです(笑)」

 ハハハハ。確かに似てる!

「なんて冗談はともかく、彼は勝負師特有の“いい眼”をしていますよね。デビュー9年目となる今年は、フェアリーSステークス(GIII)を勝ち、京成杯(GIII)2着といい仕事をして好発進を決めています。セールスポイントは『クレバーでレースが読めること』。人気以上の走りでオイシイ配当をもたらしてくれますよ」

 ふむふむ。また、データ予想に定評がある競馬キャスターの浅野靖典氏は、昨年91勝を挙げて大活躍した20歳の若武者、川須栄彦騎手を推す。

「スタートが抜群にうまくて、根性もある。ローカル競馬場で先行馬に乗ったら、迷わず押さえるべきです!」

 そして、昨年はWIN5で763万円馬券を的中させ、“WIN5成り金”の異名を取る『デイリースポーツ』の小林正明氏は、ベテラン・安藤勝己騎手に狙いを定める。

「今頃になって51歳の安藤勝己騎手ですか?という声が聞こえてきそうですが(笑)、逆に今だからこそ狙い目だと思っています。昨年のJRA勝利数は46勝でリーディングは30位と、全盛期からは物足りなく映る数字ですが、それは自ら騎乗制限をかけ、馬を選んで乗っているがゆえのこと。実際、昨年は勝率18.8%、連対率35.1%でともにトップ。要するに、安藤勝己騎手が騎乗してきたら勝負と判断できます!」

 なるほど。安藤勝己騎手は意外と盲点になってたかも。

 さて、厩舎の買い銘柄はどうか。2012年のイチ押しは、美浦の堀宣行厩舎だ。

「昨年はJRA勝利数こそ6位でしたが、勝率は20.1%を記録して1位。連対率や複勝率も高い数字をマークしてトップでした。現3歳世代で2勝しているのはオメガハートランドしかいませんが、一頭一頭の質は高く、全体的にレベルは高い」(小林氏)

 そんな堀厩舎を浅野氏も推す。

「新馬戦での成績がズバ抜けていいんです。09年夏以降で見ると、44戦14勝、2着10回、3着6回。勝率31.8%、連対率54.5%、3着内率68.2%と驚異的な数字なんですよ。しかも、5着以下になったのはたったの7回だけ!」

 ひぇ〜、スゴすぎる! 新馬戦で堀厩舎の馬が出てきたら、絶対に買いと覚えておこう!

 お次は、種牡馬の買い銘柄。今年はディープインパクト産駒の独壇場というのが大方の予想だが、そこであえて狙ってみたいのがシンボリクリスエス産駒だ。

「昨年末の朝日杯フューチュリティSで、アルフレードが産駒初の芝GI制覇。『トップクラスはダート馬』という従来のイメージを払拭しています。今年は芝でも面白そうですよ」(片山氏)

 また、小林氏は「ディープインパクト産駒が、きっちり結果を残していることを評価しています」としつつも、ワイルドラッシュ産駒に妙味があると指摘する。

「この馬の産駒はダート馬ばかりですが、GI4勝のトランセンドを筆頭に大物を出す傾向があります。繁殖牝馬の質を考えると、かなり優秀ですよ。そんな産駒の中でも、今年一番注目しているのがティアップワイルド。6歳馬ですが、ダートの短距離でブレイク必至とみています」