中国メディアの新快報はこのほど、中国サッカー業界の環境が浄化されつつあり、結果として大口スポンサーや投資家がサッカーに資金を提供するようになりつつあると報じた。

 中国サッカーはプロ化当初、多種多様なスポンサーが各チームについていた。タバコやアルコールの製造販売企業、食品製薬企業、家電企業さらには国営企業などだ。1990年代には大連万達のような不動産企業もスポンサーになっていたが、2000年以降こうした不動産企業は次々と撤退してしまった。さらに、今世紀に入ってタバコ業界の管理が厳しくなるにつれて、タバコの製造販売企業もスポンサーから撤退してしまった。

 現在、中国の「不動産業界のボス」ともいえる大連万達が11年の歳月を経てサッカー業界に戻ってきたことに代表されるように、16ある中国スーパーリーグ(CSL)のチームの中で、3チーム以外はすべて不動産企業がスポンサーになっている。大連万達取締役会長の王健林氏は中国サッカー協会と契約し、今後3年間に少なくとも5億元(約60億円)の出資を行い、中国サッカーの振興を全面的に支持することを表明した。これはスポーツ界における史上最も大きな単一の資金援助だ。

 情報によると、王氏がスポンサーとしてサッカー界に戻ることを決めたのは、2011年1月28日に開かれたサッカー協会の座談会でのことだ。王氏はその会に企業家の代表として参加していたのである。その場において政府幹部が自ら王氏に働きかけて、中国サッカーを支持するよう希望したのであった。

 業界のブームとして、ここ数年不動産企業が続々とサッカーに投資を行っていることには、サッカー業界の環境が浄化されてきたことと大きく関係しているのだ。過去十数年の間、サッカー業界には八百長、賭博、不正なジャッジなど醜い現象が氾濫し、レベルがますます低下し、多くのファンが競技場から離れてしまったのだ。

 その結果、投資家たちはサッカーをまったく信用しなくなったのである。しかしこの2年ほどの間に、サッカー業界において不正の取り締まりが行われるにつれて、環境が浄化され、観客たちはスタンドに帰り始め、投資家たちも再びサッカー業界を信用するようになってきた。不動産企業のボスたちが次々にサッカーに身を投じることによって、社会のサッカーに対する信頼が高まっており、サッカー業界にますます発展する機会が与えられているという。(編集担当:及川源十郎)



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