■オランダで活躍を見せる安田と宮市
先週末よりオランダとドイツを渡り歩いている。オランダに一週間ほど滞在し、フェイエノールト対AZ、フィテッセ対NECの2試合を取材した。フェイエノールトの宮市亮、フィテッセの安田理大は共に先発フル出場。宮市については、突破の仕掛けが短調なこともあり見せ場らしい見せ場を作れずに、チームとしてもホームで敗戦（0−1）。安田はフィテッセにとってシーズンで最も重要な試合とも呼べるヘルダーラント・ダービーでの勝利（2−1）に貢献する活躍。特に後半は、タイミングの良いオーバーラップから質の高いクロス、切り替えしての左足のシュートを放つ場面もあり、試合後のオランダメディアの評価も高かった。

その後、2日間ほどフィテッセの練習取材に足を運んだが、そこでも安田のプレーは目立っていた。大柄なオランダ人の中に入るとより小柄に映るが、スピードや瞬発力といったアジリティで特長を示していた。パスの正確性もチームの中ではトップクラス。性格的にもオープンで、明るい安田にチームメイトもすっかり親近感を持っている様子。練習後、元バルセロナ、元スペイン代表のサイドバックとして活躍したアルベルト・フェレール監督に話を聞いた。「ミチ（安田）は非常にいい選手だ。冬に移籍してきたばかりだが、素早くチームにフィットしてくれ質の高いパフォーマンスを披露してくれている。パーソナリティも良いし、監督としてなるべく長い期間フィテッセで活躍してもらいたいと思っている」と安田に高評価を与えていた。

■オランダの育成力は、ここ10年ほどで低下している
オランダではフィテッセのトップチームの練習取材のみとなったのだが、フィテッセでセカンドコーチを務めるアルベール・カペジャスに最近のオランダの育成事情について話を聞いた。彼は昨季までバルセロナのカンテラ（下部組織）で育成部のコーディネーターとして数多くの選手、指導者を育ててきた育成のスペシャリスト。ここ数年、バルセロナの育成を語るカンファレンスなどではカペジャスが代表者として登壇することが多く、日本サッカー協会の犬飼前会長がバルセロナの練習施設を訪れた時に育成の哲学やメソッドを説明したのも彼だ。その彼曰く、「オランダの育成力というのはここ10年ほどで低下している」。

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