移籍マーケット最終日は、サッカー界がクレイジーになった一日だった。イングランドではチェルシーとリヴァプールが、4選手を獲得するのに約1億4000万ポンド(約184億円)も投じたのだ。イギリス国内でも議論を呼んでいる経済危機を考えれば、とてつもない金額である。

当然話題となったのは、リヴァプールからFWフェルナンド・トーレスを獲得するのに、イングランド史上最高額となる5000万ポンド(約66億円)を支払い、さらにベンフィカからDFダビド・ルイスも獲得したチェルシーだ。英紙『ガーディアン』によれば、ファイナンシャル・フェアプレーのスタートが迫るなか、UEFAは「危険な兆候」と、チェルシーの動きに苛立ちを見せているという。

一方、アヤックスからFWルイス・スアレス、ニューカッスルからFWアンディ・キャロルを獲得したリヴァプールだが、ファンは満足していない。彼らは、F・トーレスの「裏切り」に怒りを示しているのだ。一部のリヴァプールサポーターは、広場で同選手のユニフォームを燃やすことで、激しい怒りを表している。

そのトーレス自身は『チェルシーTV』に対し、「ずっと欧州のトップクラブの一つでプレーしたいと思っていた。今、そこに来たんだ」とコメント。まるでリヴァプールがそうではないかのように話した(確かに最近のリヴァプールは好調ではないが、そのブランドと歴史は常にトップクラスだ)。皮肉なことに、トーレスのチェルシーでの初戦は、週末のリヴァプール戦となる。

リヴァプールへ加入したキャロルは、ニューカッスルの上層部に追いやられたと主張しているようだ。『デイリー・エクスプレス』や『デイリー・スター』によると、同選手は親友たちに、ニューカッスル残留を望んでいると伝えたものの、返ってきたのは「お金が欲しいから出ていかなければいけない」という答えだったと話したそうだ。同選手の“告白”は、ニューカッスルサポーターの怒りを呼んでいる。