奇跡の大逆転に向けて試合前から盛り上がりを見せていたバルササポーター。スローガンは、ずばり「逆転」。この奇跡を起こすためにイタリアやイングランドのチームに比べたら静かなバルササポーターもいつもより早くスタンド入り。チームをバックアップする態勢は整った。

 バルサのスタメンは、トゥーレ・ヤヤがピケとセンターバックを組み、左サイドバックにはガブリエル・ミリートを入れ、守備のバランスを整えながらも中央でボールを運べる選手をグアルディオラ監督は起用。中盤はチャビとセルヒオ・ブスケスがかじ取り役となり、ケイタとトライアングルを組んだ。前線はペドロ、メッシ、イブラヒモビッチの3人でキックオフを迎えた。

 試合は第1レグと同じようにバルサがボールをキープし、インテルが組織でそれを防ぎながらカウンターを狙う試合展開となる。試合が大きく動いたのは前半28分。インテルのモッタが2枚目の警告で退場となる。これでインテルのゲームプランが変更。攻撃は捨ててとにかくバルサの攻撃に耐えることになる。

 これで勢い良くインテルに猛攻を掛けたいバルサだったが、イブラヒモビッチは絶不調のまま。ボールが正面に来ればキープできるが、少しずれると追いかけることすらできない。フィジカルコンディションが悪いのは誰の目にも明らかでバルサ選手の中で浮いているといった感覚さえ与えた。

 後半もバルサはボールをキープするものの、前線に動きが無い上、インテルのディフェンスも揺さぶりに付いて行かずに、ボールが中に入った時に囲んで奪いに行く徹底した組織ディフェンスでバルサを封じた。38分、ようやくFWにポジションを上げていたピケがゴールを決めたが、最後まで攻撃の鋭さを欠き、インテルの鉄壁の前に屈してしまった。

 CL決勝の舞台サンティアゴ・ベルナベウに駒を進めることができなかったバルサ。エース、イブラヒモビッチの不調はかなりチームに響いているように見えた。他の選手の動きに比べて明らかに劣っているコンディション。今後は優勝がかかるリーガに集中することになるが、イブラヒモビッチについてはかなりネガティブな状態だ。

(スペイン通信)