就職情報サイトを運営する毎日コミュニケーションズ(東京都千代田区、中川信行社長)は、2011年卒業予定の学生を対象とした「2011年卒マイコミ大学生就職意識調査」の結果を発表した。学生の就職意識や就職活動全体の動向を把握することを目的に、1979年から毎年実施しているアンケート調査で、全国の大学生・大学院生14,825人から得た回答を取りまとめた。

■ 今年も学生の就職観、「楽しく働きたい」がトップ
 学生の就職観で文理男女全てのカテゴリーで、今年も「楽しく働きたい」が33.5%でトップとなった。また、「人のためになる仕事をしたい」15.7%や「社会に貢献したい」6.2%といった項目が、文理男女全てのカテゴリーで前年より回答割合が増える結果となっている。「人のためになる仕事をしたい」という回答は、文系男子4.0pt増の16.1%、理系男子1.2pt増の14.8%、文系女子2.6pt増の15.6%、理系女子3.1pt増の16.5%となっている。

■ 「大手企業志向」前年比4.8pt減、「中堅・中小企業志向」前年比5.1pt増
 学生の企業志向は、「大手企業志向」(絶対に大手企業がよい+自分のやりたいことであれば大手企業がよい)は、前年比4.8pt減の47.0%と減少傾向となった。一方、「中堅・中小企業志向」(やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい+中堅・中小企業がよい)は前年比5.1pt増の47.6%となっている。昨年からの厳しい就職環境で、中堅・中小企業まで視野を広げていこうという学生の姿勢がうかがえる結果となった。

■ 会社選択のポイントは「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」が1位
 会社選択のポイントでは、前年同様、「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」が43.5%でトップ、「安定している会社」が23.0%で2位、「働きがいのある会社」が20.4%で3位となった。これを、男女別で比較して見ると、男子学生は「これから伸びそうな会社」や「給料の良い会社」が女子学生に比べ高く、女子学生は「勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社」や「社風が良い会社」が男子学生に比べ高くなっている。男子学生は企業の将来性やステータスを重視しているのに対し、女子学生は企業の雰囲気や福利厚生などを重視するなど違いが出た。

 一方、行きたくない会社としては、「暗い雰囲気の会社」43.5%と最も高く、次いで「ノルマのきつそうな会社」31.2%、「仕事内容が面白くない会社」23.8%となっている。男女別に比較して見ると、男子学生は「給料の安い会社」や「体質が古い会社」の割合が女子学生より高く、女子学生は「ノルマのきつそうな会社」や「大学・男女差別のありそうな会社」の割合が男子学生に比べて高い結果となり、意識の違いが見られた。

 調査は、2009年10月1日〜2010年2月1日に実施し、14,825人(文系男子3,549人、文系女子7,297人、理系男子2,592人、理系女子1,387人)の有効回答を得た。

就活学生のエントリー社数 すでに前年の4月時点に匹敵!(2010-02-05)
【特集】2010年日本の雇用情勢〜就職氷河期が深刻化
【特集】新卒採用活動の課題と新たな動き〜質重視の母集団形成が主流に

日本人材ニュースHRN」は人材採用・人材育成の専門紙。「中立公正」「確かな取材活動」で情報提供を行っています。