W杯イヤーが明けたばかりというタイミングで、フランスは早くも“ポストW杯”の話題で盛り上がっている。フランスサッカー連盟(FFF)のジャン=ピエール・エスカレット会長が5日、ラジオの「ユーロップ1」で、代表の次期監督候補を“リストアップ”したのが発端だ。

 会長は、W杯終了とともに契約が満了するドメネク監督の後継として、ローラン・ブラン氏(現ボルドー監督)、ディディエ・デシャン氏(現マルセイユ監督)、アラン・ボゴシアン氏(現フランス代表監督補佐)、ジャン・ティガナ氏の名を挙げた。候補者をこの4人に限定するつもりはないとことわりながらも、彼らを「ビッグ4」と形容するなど、最優先したい顔触れなのは間違いない。中でもブラン氏については「よい候補者」「オーラがある」「模範的な男」などと多めにコメントした。

 当のブラン氏は同日、「うれしいのは確かだが、(監督就任を)拒否する可能性だってある。何より契約上、私はフリーの身ではない。あとは日程上の問題がある。W杯の決勝は7月11日。フリーでなければ、(次シーズンに向けた)準備の真っ最中という時期だ。そんなときにすべてを投げ出すことはできない。いずれにせよ、私にとってはむずかしいだろう」と答えている。

 これを受けてエスカレット会長はRMC局に「ローラン・ブランが言ったことはもっとも。6月、いや5月には決まっていなくてはならない。我々は1月中旬から、水面下で、冷静に監督人事を進めていく」と語った。

 “次期監督はブラン”との憶測が高まり、質問が殺到したためか、2日後の7日には、ブラン氏が報道陣に対し、「今後は、私の将来あるいはフランス代表に関する質問には答えない。(リーグ・アン最終節の)5月15日まで一切ナシだ。わかったか?」と釘をさした。2011年まで契約が残るクラブへの敬意を重んじた“取材拒否宣言”だが、同時に次期代表監督就任への期待がますます高まることも確かだ。