1998年のワールドカップ(W杯)優勝者で、2000年のEURO覇者でもある元フランス代表DFビセンテ・リザラズ氏は、4日に行われた南アフリカW杯グループリーグ組み合わせ抽選の結果が、フランスにとってうまくいったと見ている。

同時に、レイモン・ドメネク監督を批判し、本当の問題は「シンパシーや未来への自信が感じられない」ことで、解決策はボルドーのローラン・ブラン監督やマルセイユのディディエ・デシャン監督だと語った。

ラジオやテレビでコメンテーターを務めるリザラズ氏は、「フランスはスペインと一緒で最高のグループに入った。対戦相手はどこも倒せる範囲だ。ウルグアイはもはや10年前の彼らではなく、南アフリカにサプライズはない。メキシコはやや厄介だが、倒せるよ」と話す。

しかし、それはあくまで理論上のことだ。実際はまったく別物となる。フランスはFWティエリ・アンリのハンドによるアシストからゴールを決め、W杯へのチケットを手にした。だが、責任がアンリにあるのではない。ドメネク監督のせいなのだ。リザラズ氏は『Gazzetta.it』に対し、次のように語った。

「今のフランスは何も機能していない。責任があるのはドメネクだけだ。才能あふれるチームにプレーのアイデアを植えつけることができず、その才能を発揮できないのに、“生涯監督”の彼を信じている」

「守備はバランスがとれておらず、攻撃もヨアン・グルキュフを犠牲にして、アンリとニコラ・アネルカに司令塔をやらせるなんてできないんだ。リーグアンへの昇格以外、キャリアで何も勝ち取っていない指揮官の限界を明確に表している」

「獲得したタイトルだけでも敬意を感じさせるマルチェッロ・リッピ、ファビオ・カペッロ、ジョヴァンニ・トラパットーニといった指揮官に比べ、ドメネクはまったく価値がない。EURO08の失敗で、彼を代えるべきだったんだ。チームのバランスを危険にさらす、ひどいコミュニケーションとごう慢さをもって、代表チームの指揮を執らせ続けるのではなくね」

「フランスサッカー連盟も、フランスを世界のトップへ導き、キャリアにおいてベストの相手たちと戦って、最高の指揮官たちから学び、イタリアやスペインやイングランドでドメネクの知らない勝利の文化を得てきた選手たちを生かせなかった」