ボストンの地元紙「ボストン・ヘラルド」の電子版は、19日付けで、昨年獲得したレッドソックスの松坂大輔投手のマーケティング効果は、予想以下だったと報じた。

 「松坂はワールドシリーズのトロフィーを獲得するために、貢献したかもしれないが、球団のセールス&マーケティング部門の上席副社長であるサム・ケネディは、松坂のフィールド外での貢献に失望させられた。1年前に、松坂の代理人であるスコット・ボラスが、松坂に投じられた全ての資金は、マーケティング効果で補えると語ったが、その期待は見直されることになった」と報じたもの。同副社長は、「入団交渉の間に、代理人が我々に信じさせようとしていたものや、我々が期待した企業広告の恩恵は確かに得られなかった」と、同紙のインタビューに応えている。

 また、同紙は、イチロー外野手を擁するマリナーズや、松井秀喜外野手を擁するヤンキースは、年間で300万ドルから600万ドルの広告効果を得ていると見積もられている一方で、レッドソックスは、家電会社のフナイが年間約90万ドルの契約で広告を出しただけだったと、期待以下に終わった日本企業の広告参戦を指摘。「明らかに、松坂効果としてみられるのは、フナイとの契約だけで、その他に新しく参入した企業は、レッドソックスが強いチームであるから契約したとみなしている」と同副社長の分析を紹介し、松坂個人の名前よりも、レ軍ブランドが企業側に魅力があったからだと指摘している。

 更に、同記事は、162試合、日本企業の看板がついた外野フェンスの前でプレーしているイチローや松井に比べて、松坂は5日に1度の登板であり、「ピッチャーマウンドに広告は出せない」という同副社長のコメントも伝えた。

 来年春に予定されている日本での開幕戦も、実際にはレッドソックスの懐を直接潤すようなことにはならないという見方。同副社長は「岡島と2人の日本人がいたことを考えれば、日本からの広告参入は我々の予想程にはいかなかったが、まだ、時期尚早といもいえる。日本企業への信頼度を高めていき、来年は、もっと利益を拡大していけるように望んでいる」と締めくくっている。