グランドキャニオンで亡くなった女性(画像は『Scott Beadle 2017年8月3日付Facebook「Sarah Beadle passed away sometime yesterday afternoon.」』のスクリーンショット)

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壮大なスケールと美しい絶景で多くの観光客を魅了し続ける米グランドキャニオン国立公園。その谷底を目指し10歳と11歳の子供たちを連れてトレッキングに訪れていた38歳の女性が亡くなった。日影がほとんどないという夏のトレイルで、飲み水が尽きてしまったことが命取りになったようだ。『NY Daily News』や『CBS DFW』など複数のメディアが伝えている。

今月1日、テキサス州フォートワース在住のサラ・ビードルさんは娘と甥の2人を連れて、グランドキャニオンのサウスカイバブ・トレイルをトレッキングに訪れていた。

サラさんの夫スコットさんはFacebookで「3人はトレッキングの途中で水が尽き、子供の1人が暑さによる体調不良を訴えたため、サラは2人を安全な場所に残し、助けと水を求めてその場を離れたようだ」と明かしている。2人の子供たちは別のハイカーに発見され無事だったが、サラさんは道を間違えて迷ってしまったようだ。その日、宿泊する予定だったブライト・エンジェル・キャンプ場に現れなかったことから、同公園のレスキューチームによる捜索が開始された。

『グランドキャニオン国立公園当局』のホームページによると翌日2日の午後、サラさんはキャンプ場があるファントム・ランチからわずか1.2キロのところで遺体で発見されたという。死因は明らかにされていないが、暑さで脱水症状を起こしたとみられている。

サラさんはテキサス州ケラーの「ベイラー緊急救命センター(Baylor Emergency Medical Center)」で働く女性医師で、家族との旅行を趣味としていた。経験豊かなハイカーで、2002年にもグランドキャニオンをトレッキングで訪れていたようだ。

グランドキャニオンの谷底は夏になると37.7度(華氏100度)にまで達する。3人がトレッキングをしていたサウスカイバブ・トレイルは、勾配がきついうえ日影が少なく、水は自分で持参するほかないという。

自然を甘く見ると取り返しのつかないことになる。昨年6月には、米イエローストーン国立公園で、立ち入り禁止区域に入った男性が足を滑らせて死亡した。遺体は溶解し、跡形もなく消えていたという。

画像は『Scott Beadle 2017年8月3日付Facebook「Sarah Beadle passed away sometime yesterday afternoon.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)