20代女子が高級ホテルのアフタヌーンティーに集える謎

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アフタヌーンティー。元々イギリスの上流階級の社交の場として広まった慣習ですが、今、日本で主に楽しんでいるのは若い女子たち。土日の高級ホテルのラウンジには、各ホテルのオリジナリティが詰まったアフタヌーンティーを目当てにした20代女子たちが大勢集っています。

例えば大手町に位置するラグジュアリーホテル、アマン東京のラウンジで提供しているアフタヌーンティーは、予約3か月待ちと言われています。「ブラックアフタヌーンティー」として、食器や食材を黒で統一しているという独自性が今、女子の心を惹きつけてやまないのです。そのお値段、5,198円。

アマン東京に限らず、リッツカールトン、ペニンシュラ、マンダリンオリエンタルなど高級ホテルではどこも5000円を優に超えるアフタヌーンティーを提供していますが、土日は特に満席続きの様子です。

そんなアフタヌーンティーを20代そこそこの女子たちが大勢楽しめる不思議について、考えてみました。

アフタヌーンティーといえば「ケーキスタンド」。3段のプレートにサンドイッチやスイーツが並べられ、とてもフォトジェニックです。

サンドイッチから始めて、別添のスコーン、最後にスイーツという順で味わう、というのが基本ルール。スコーンに塗るクロテッドクリームやジャムにもまた、可愛らしいプチサイズだったり好きな味を選べるバリエーションだったり、女子心をくすぐる仕組みがたくさんあります。

ただ、色気も何もない話ですが、ケーキスタンドにのってくるのはサンドイッチ2切れにブルスケッタが2切れ、ケーキが2種類、ひとくちサイズのデザート2種類といった具合。それに加えて、大抵スコーンが2個くらい別皿で運ばれてきます。


おやつとしてはもちろん、ランチやディナーとしても女性には多すぎるくらいの量で、特にスイーツをこんなに一度に食べることはスイーツビュッフェくらいでしか考えられません。

実際、私の経験でも、一緒にアフタヌーンティーに行った友達の大半は食べ終えた途端お腹いっぱい・・・と動きが鈍くなりますし、食べきれない友達もいます。「美味しいものを少しだけ」が美しいとされる中で、美味しくて高価なものをたっぷり頂く必要は、本当はないのです。

では、なぜ求めるか。その理由を私は下記のように分析しています。

まず、「集まっていること」に女子は特に弱いという理由。例えば”そこそこ可愛い子”がたくさん集まっていると、すごく可愛い子たちが集まっている稀有で素敵な集団に見えたりします。それと同じで、見栄えの良いものが「集まっていること」に、人、特に女子のテンションを上げるスイッチがあるのではと私は読んでいます。

次に「食と空間のエンタメ感」です。アフタヌーンティーとして提供されるものは全て、見た目だけではなく、味やディテールまでこだわり抜かれ、芸術品のような魅力があります。

また、高級ホテルでの洗練された接客や周りの客の身のこなしも、あの空間へと駆り立てる要因のひとつ。心地よい緊張感のある環境で、無意識でも背筋がシャンと伸びてしまう、そんな自分に面白さも感じるものです。

非日常の空間と贅を尽くした宝箱のようなケーキスタンドで、女子たちは、お腹を満たすのではなく、心を満たしているのです。

ちなみに、来ている女子が全員裕福なわけでも、エンゲル係数が高いわけでも実はなく・・・。平日ランチはコンビニおにぎりでも、休日友達とは高級ホテルのアフタヌーンティーを楽しみたい、というメリハリをきかせている女子も多かったりします。

でもそこに「平日の食生活は節約しなければ」という涙ぐましい感覚はなく、「価値があると認めたことにはお金を出せるよう賢くやりくりする」というポジティブな行動なのです。

非日常の空間における優雅な時間というご褒美。ぜひ今週末は、皆さまも観察に行かれてみてはいかがでしょうか。