絶対的エースが、ベンチから出てこない──準々決勝の近江対高松商戦、8回表の高松商の攻撃前。近江のエースでキャプテン・山田陽翔の治療のため、試合が止まった。数分後に山田はマウンドに戻り投げ始めたが、異変は明らかだった。近江の絶対的エースであり主将の山田陽翔エースの言葉を待つ指揮官先頭打者の7番・大麻颯に対して、投げるのは変化球ばかり。しかも下半身が使えず、威力もキレもない球だった。その時の体の状