ブラウンシュガーファーストのココナッツオイル。成城石井では1人1個の制限付きになったほどの人気アイテム

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今、ココナッツオイルが人気だ。ハリウッドモデルのミランダ・カーがブームの火付け役といわれ、日本でもモデルなどに愛用者が多数。最近はスーパーなどでも見かけるようになってきたから、使ったことはなくても名前だけは知っているという人も多いのでは?

ココナッツオイルとは、その名のとおり、ココヤシの木から作られる油。最大の魅力はトランス脂肪酸フリーで、ラウリン酸など体に嬉しい成分が豊富なこと。免疫力アップにも効果があり、海外では「飲むワクチン」などとも呼ばれている。また、美容アイテムとしても注目を集めており、肌や髪の保湿に使っている人も少なくないのだとか。

ココナッツ由来のトロピカルな香りがあり、25℃以上ではバターのように白く固まるなど、ユニークな特性を持つココナッツオイルは、料理ビギナーにとっては少々難易度の高い食材かもしれない。ブームに乗って買ってはみたものの、いまいち使い方がわからないという人もいるのでは?

実は筆者もそんな一人。そこで先ごろ、オーガニックココナッツオイルを輸入・販売するブラウンシュガーファーストの社長、荻野みどりさんの出版記念のトークショーに参加。ココナッツオイルの選び方や使い方について聞いてきた。

一児のママでもある荻野さん。もともと娘さんが生後4カ月のとき、「わが子に食べさせたいかどうか」を基準に食材を厳選するお菓子屋さんとして創業。バターの代用品を探す中でココナッツオイルに出会い、「こんなに素晴らしいココナッツオイルという食材を、日本中の食卓に届けなくては」と一念発起。フィリピンやタイの生産者を周り、輸入・販売をスタートさせた。今では自社の製品のみならず、日本にココナッツオイルという文化を普及させたいという熱い思いから幅広く活動する、いわばココナッツオイルの伝道師だ。

まずはココナッツオイルの選び方。
「実はココナッツオイルはヤシ油という名で、これまでにも日本に入ってきていました。ただ、それらは精製したココナッツオイルで、脱臭されてニオイもない。今ブームになっているココナッツオイルとは違うものです。購入の際はバージンココナッツオイル、もしくはエキストラバージンココナッツオイルと謳っているものを選んでほしいと思います」

ただし注意したいのは、オリーブオイルなどと違い、ココナッツオイルには、“バージンオイル”や“エキストラバージンオイル”に関する明確な基準がなく、各メーカーが勝手に謳っているのが現状。消費者からするとわかりにくいところだが、そうした点を含め、商品の裏側を知る楽しさや必要性を感じとってもらえたら……と荻野さんは話す。

まろやかで自然な甘みがあり、お菓子はもちろん、和洋問わずいろいろな料理に使えるのも魅力だ。
「ココナッツオイルはオイルの中でも高温での安定性が高く、揚げ物やオーブン料理にも最適です。とくに野菜の素揚げは、風味もついて美味しく仕上がりますよ」
他にも魚料理に使えば、魚特有の臭みが消えて食べやすくなったり、意外なところではコーヒーに少量たらしたり、25度以下で白く固まる性質を活かしてバターがわりにトーストにのせるのもオススメとのこと。

今回は出版記念のトークショーだったのだが、11月にはココナッツオイルの魅力から基本的な食べ方までを網羅した最新著書『今すぐ使いたい! ココナッツオイル』(小学館)が発売されたほか、10月にはココナッツオイルレシピ満載の『ココナッツオイル生活をはじめよう』(講談社)も発売。また、8月発売の『魔法のココナッツオイルレシピ』(宝島社)もブラウンシュガーファーストが全面協力し、『クロワッサン特別編集 ココナッツオイル・バイブ』(マガジンハウス)でも同社が一部協力するなど、まさに伝道師としてココナッツオイルの良さを伝えている。

一過性のブームではなく、定番オイルの1つとして日本のキッチンに常備されていきそうなココナッツオイル。まだ試していなかった人も、本やサイトのレシピを参考にしつつ、ぜひ一度試してみては?
(古屋江美子)