屋根のひさしの部分にも……。こんな巣が見つかったら、ぜひ駆除を!

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長野の実家に帰省した折、母がほうきの柄の先を自宅の軒下部分にあてていた。何をしているのかと聞くと、「マイマイガの巣をとっている」と言う。

マイマイガ!? 全く聞いたことがなかったが、マイマイガとはドクガ科の大型の白っぽい“ガ”のこと。長野県に大量発生しており、家の外壁等に卵を産み付ける習性があることを地方のニュース番組で報じていたため、念のため見てみたら、我が家にも見つかったのだと母は話す。

巣(卵塊)をとる理由は、来年の発生を防ぐため。成虫に対して殺虫剤が有効でないことから、卵のかたまりの時点で除去しておくのが、最も効率的だということらしい。
実際に見ると、自宅の軒下や壁面の垂直部分にはいくつか同様の卵塊があり、柄の先で強く擦るようにすると、乾燥した状態で剥がれ落ちてきた。

調べてみると、マイマイガの大量発生に関しては、今年7月〜9月にネット上のまとめサイトなどで取り上げている記事がいくつも見つかった。長野県のほか、北海道、秋田、岩手、山形、新潟、福井、岐阜など各地で確認されているようだ。
そして、10月1日からは、長野県庁のサイトに「県内におけるマイマイガの大量発生と今後の対応」という報告があがり、同日より長野市役所のサイトでは「マイマイガ卵塊除去にご協力ください!」として、ペットボトルを利用した除去方法動画も掲載されている。

それにしても、マイマイガなんて初めて聞いたけど、今までもいたのだろうか。長野県庁健康福祉部食品・生活衛生課に聞くと、こんな回答があった。
「マイマイガは、基本的には森林街中なんですが、最近、市街地に大量発生していることで、注意を呼びかけるようになりました」
マイマイガは、幼虫(毛虫)が落葉樹や果樹、街路樹や家庭の庭木・草花の葉に食害を与えることが知られているほか、「約10年周期で大量発生する」という情報もある。
「マイマイガは人体に直接大きな害がないため、これまでは特に調査していないんです。そのため、数の把握等はないんですが、もともと森林にいる害虫なので、市街地に出現し、問題になってきたのは最近だと思います。当初は市町村で対応していたんですが、大量発生の情報や問い合わせが各市町村から上がってきたため、今年夏に県庁のサイトでも呼びかけることになりました」
ちなみに、長野県庁がサイトで注意を促すようになったのは、「お隣の岐阜県が注意を行っていた」ということもあるそう。

長野県では今年、異常に多数のクマの出没が報告されているが、もともと森林に棲むマイマイガの市街地での発生なども全く無関係ではないのかもしれない。
それにしても、今は単に乾燥したカタマリだが、それが孵化して幼虫〜成虫になり、大量発生した画像を実際に見ると、まるでヒッチコックの映画やパニック映画ばりのおぞましさで直視できないほどである。

現時点で発生が確認されているのは、長野や岐阜など、森林や山に近い地域のみのようだが、該当するエリアの人は一度、念のため自宅の外壁などに卵塊がないか確認してみては?
(田幸和歌子)