ということで、浦和レッズの強かさに逆に感嘆させられた、Jリーグ初の無観客試合についてチェックしていきましょう。

◆100年先、対戦相手が清水だったことは忘れているだろうが…。無人の埼玉スタジアム。報道陣はメインスタンドを中心にパラパラといるようですが、とにかく客はまったくいません。見事な無観客ぶりです。客がいないので選手紹介の煽りとかも止めたとのことで、淡々と、静かに、試合開始までの時がすぎていきます。これから練習でも始まりそうな雰囲気です。

↓そんな雰囲気の中、試合に先立ち浦和レッズ選手団は差別撲滅を宣誓!

清水:「え、そんなんやるん?」
清水:「あれ、あれ、あれ、ウチは?」
清水:「聞いてないよー」
清水:「何か、おたくがやってウチがやらんって」
清水:「ウチの意識低いみたいに見えちゃわない?」
清水:「そういうのやるならさー声かけてよー」
清水:「ウチもサッカーで結ばれた仲間でしょ?」
清水:「一緒にやろうよー」
清水:「そのほうがウチもちょっといい感じじゃん?」
清水:「阿部ちゃんとさ、ウチの杉山が並びまして」
清水:「僕たちは差別と闘います!とかって」
清水:「うわー不意打ちだわー」
清水:「ずるいわー」
清水:「ウチ仲間はずれやわー」
清水:「URAWA ONLYやわー」

これ、清水も先手打ってやるべきだったかもですね!

何か、巻き込まれたことで損した感じ!

浦和レッズの選手たちは自ら推進する「SPORTS FOR PEACE!」運動のロゴTシャツで入場。このキャンペーン、こんなことにならなければ、サポーター以外は気づかずに終わったのでしょうが、一気に認知度がアップしました。「問題になる前からやってたんやねぇ」「大したもんやねぇ」「エライわぁ」という、若干の好感度アップとともに。

そして始まった試合。前半はしっかりとブロックを作った清水が守備からペースをつかむ展開。ノヴァコヴィッチが前線でアクセントをつけ、チャンスを作り出します。すると早速の前半19分に先制。いつもなら悲鳴とか激励とかがドーンと上がるのでしょうが、今日は得点が入ってもいたって静かなものです。


森脇が4万人ぶんの声援とブーイングをひとりでやると聞いていたのだが…。

せいぜい2人ぶんくらいかな…?


負けたらサポーターがいないせいみたいでバツが悪い。せめて勝ち星だけでもテレビを通じて届けたい。浦和は後半頭から選手2人を一気に交代するなど、積極的に攻めます。すると、右サイドに投入された関根は、無観客のスタジアムでのびのびと躍動。次々にチャンスを作り出します。誰もいませんが、俄然スタンドも浦和ムードになってきました。

数で言えば清水の3倍ほどのシュートを浴びせながら、何とかゴールをこじ開けようとする浦和。そして指揮官は最後のカードを切ります。後半19分、李忠成を投入。一説では例の横断幕の対象とされ、その意味でなのか味方側からブーイングを浴びせられてきた李。しかし、この日はブーイングはありません!誰もいませんから当たり前ですが!

↓すると李は相手ゴール前でラグビー式タックルを敢行し、清水ゴールをこじ開けた!

清水:「いやいやいやこれはファウルでしょ」
清水:「場内も大ブーイングで…」
清水:「って、今日は無観客試合だったか」
清水:「でも、客はいなくても報道陣がやりなさいよ」
清水:「浦和さんは別にやらんでもいいけど」
清水:「このブーイングどっかでやらんと気が済まんな…」
清水:「ウチのホームゲームで指笛等検討しとくわ…」
清水:「別に人種差別とかじゃないから!」
清水:「ラグビー式タックルはんたーい!」
清水:「誰がやった場合でもはんたーい!」
清水:「ブーブー!ピーピー!」

この場合、家でブーイングするんですかね!

家でやるって、ちょっと虚しい感じですね!

結局試合はそのまま1-1で終了。負けてもバツが悪いですが、逆に勝てば勝ったで「12番目の選手」がいなくても勝てました的な話でバツが悪かったでしょうから、引き分けというのは一番穏便な結果だったかもしれません。

何はともあれ、大きな注目を集めた中で、しっかりと試合をやり切った両チーム、本当にお疲れ様でした。歴史に残る貴重な経験を今後に活かし、ともに平和で楽しいスポーツ環境を作っていきたいものですね。

↓試合後、選手たちは無観客試合という貴重な経験について語った!

阿部:「声援は常に心の中にある。その声援はしっかり背負ってやれたと思う」
槙野:「いつも以上のモチベーションで臨んだが非常に難しかった。チームがひとつになって強くなるため、もう一度しっかりと受け止めたい」
大前:「思った以上に独特の雰囲気で、まぁもうやりたくないなっていうのが正直な気持ち」

大前さん、ここで半笑いはアカン!

相手方並みに深刻に受け止めないと悪目立ちしますよ!

全然知らない人の葬式で、まったく悲しくないときでも、一応神妙にしておく…そういう場です!

↓清水側も絶対コメント聞かれるわけだから、ちゃんと原稿を渡しておくべきだった!
<例文>
無観客試合というのは自分にとっても初めての経験で、試合への入り方や集中の高め方などは、非常に難しいものがありました。

ただ、そんな中でも、地元のパブリックビューイングやテレビを通じて応援してくれているサポーターの想いを受け止め、しっかりとチカラを出し切ることができたと思います。

今回は浦和レッズさんに対する制裁処分ということでしたが、このことは浦和さんだけの問題ではなく、Jリーグ・サッカー界ひいてはスポーツ界全体として考えなければいけない問題だと思います。

私たちの仕事はスポーツを通じて、喜びや楽しさ、夢といったものを、みなさんに感じてもらうことだと思っています。そんなスポーツだからこそ、利害や対立を超えて、純粋な気持ちと気持ちで人間同士が向き合う機会も作っていけるのではないかと思います。

そうしたことを改めて考え、自分たちの行動を変えていくきっかけになる試合に立ち会えたことは、私自身にとっても、清水エスパルスそして清水サポーターのみなさんにとっても貴重なものだったと確信しています。

スポーツを心から楽しめる、平和で差別のない社会。

それは私自身も望むものであり、多くのサポーターのみなさんも望むものだと思います。ともにチカラを合わせ、実現させていきましょう。

今日は本当にありがとうございました。


こういうときは相手に乗って、自分も反省するべし!

相手だけ反省してると、「他人事みたいに思ってる」って思われるから!

差別撲滅への取り組みでは、浦和レッズが先制点を挙げました!