1984年1月24日、スティーブ・ジョブズはカリフォルニア州クパチーノで行われたAppleの年次株主総会で初めて「Macintosh」を発表。その1週間後、ジョブズは「Boston Computer Society」の年次会合において、Macintoshの購買層である学生に向けてMacintoshのプレゼンテーションおよび質疑応答を行っており、コンピュータ歴史博物館が、その時の様子を撮影したムービーをTIMEで公開しています。

Steve Jobs Unveils Mac at Boston Computer Society, Unseen Since 1984 | TIME.com
http://techland.time.com/2014/01/25/steve-jobs-mac/

ジョブズがBoston Computer Societyの年次会合で行ったプレゼンテーションは下記から確認できます。



会場はMacintoshを一目見ようと集まった人で満員です。


大きな拍手で迎えられるジョブズは当時28歳。ジョブズは「1958年、IBMはゼログラフィという新技術を開発した新しい会社の買収を見送りました。その2年後にゼロックスが誕生し、IBMは後悔することになります。そして1977年、Appleは世界で初めてのパーソナルコンピュータ『Apple II』を発表しましたが、IBMは重要な仕事を処理するのに小さすぎる、としてパーソナルコンピューターの開発を見送っていましたね」とIBMを皮肉るようなスピーチでプレゼンテーションを開始。


まずは、プレゼンテーションのスライドを紹介しながら、Macintoshの製品情報やスペックなどを紹介していきます。


「スライドでMacintoshを紹介してきましたが、そろそろ実機を披露しましょう」と言って、ニヤリとほほ笑むジョブズ。


ジョブズ氏は「今まで見せてきたスライドの内容は、全てこのかばんの中にあります」とステージ上に置かれたかばんを開け始めます。


かばんの中からMacintoshが登場し、観客は拍手喝采。


ジョブズがフロッピーディスクをMacintoshに挿入するとスクリーンにムービーが流れ始めました。


「Macintosh insanely great!(Macintosh とてつもなく最高!)」とスクリーンに表示されました。このプレゼンテーションの後、ジョブズ氏は好んで「insanely great」という表現を使用するようになります。


ムービーではMacintoshに搭載されているソフトウェアを中心に紹介。


ワープロソフトウェアのMacWrite


Macintoshにはチェスのゲームも搭載されていました。


こちらはMacintoshの製造工場で、工場では毎日500台以上のMacintoshが製造されていたとのこと。


プレゼンテーションの最後には質疑応答が行われ、Macintoshの開発チームからビル・アトキンソンスティーブ・キャップスオーウェン・デンズモアアンディ・ハーツフェルドブルース・ホーンランディ・ウィギントンバレル・スミスなどが参加しました。


質疑応答時は、MacPaintなどMacintoshに搭載されているソフトウェアを実際に使用して細かな説明が行われました。


観客の質問に答えるアンディ・ハーツフェルドは当時30歳。


高品質プリンタに関して質問を受けたジョブズは「我々は高品質プリンタではなく、レーザープリンタに将来の可能性を感じています」と答えており、Macintoshの解像度が非常に高いことを繰り返し強調しています。


1時間20分ほどでMacintoshのプレゼンテーションおよび質疑応答は終了。


Macintoshは2014年で生誕30周年を迎えており、Appleは特設ページを開設。特設ページでは初代Mac「Macintosh」から「Mac Pro」現モデルまでをまとめたムービーも公開されています。