お金が貯まらない人にありがちな性格
病気やケガなど、万が一の時に自分を支えてくれるのは、なんといっても貯金です。
しかし、この「貯金」がくせ者で、ある程度収入があるにも関わらず全然お金が貯まらないという人もいれば、低収入だけどコツコツと貯められる人も。
性格といってしまえばそれまでですが、両者の間にはどんな違いがあるのでしょうか。
『ココが違った!お金に困らない人の時間術』(集英社/刊)は、「時間の使い方」という点から「お金を貯められる人」と「貯められない人」の違いを考える一冊です。
今回は著者の田口智隆さんにインタビュー、両者の違いについて聞いてみました。
―今回の田口さんの著書『ココが違った!お金に困らない人の時間術』は、通常「お金」をテーマにした本では「お金の使い方」や「節約」がメインになりがちなところを「時間の使い方」や「人付き合い」を中心に据えているところが特徴的です。これらのテーマに注目した理由は何だったのでしょうか。
田口:お金というのは、結局時間を過ごすなかで使うものなので、「お金に困らない人」と「お金に困る人」の違いは、お金の使い方そのものというよりも「時間の使い方」にあるというのは以前から感じていたことです。
時間術だとか、タイムマネジメントの本はたくさんあるのですが、「お金と時間」ということで考えると、「どんな人とどんな時間を過ごすか」というのはやはり大事だと思っています。
というのも、僕自身もともとは無駄遣いが多くてお金に困っていた人間なんです。無駄遣いというのはギャンブルであったり、お酒だったんですけど、特にそれらが好きだったというわけではなくて、周りにいた友達に影響されてやっていたというところが大きかったんです。
自分の好きなものだけ買ったり、一人で楽しんで散財できる人って案外少なくて、人付き合いが絡んでお金が出ていってしまうことの方が多い。そういう体験もあってこの本では「お金と時間」がテーマになっています。
―お金の使い方は友達に影響されるというのはすごくよくわかるお話です。
田口:僕の場合、最初に勤めた会社に賭け事が好きな人が多かったんですよ。だから、やっぱり話すと競馬だとかパチンコの話題になる。
もともとさして興味がなかったのに、話しているうちに何となく気になるようになってしまったんです。
お酒にしても、一人で出かけてお金に困るくらい飲むという人は少ないはずで、やっぱりみんなで行って「ここは俺が払うよ」ということが重なってお金がなくなってしまう。
だからお金が貯まらないという人が貯められるようになるには、お金の使い方だけ考えてもダメで、「どんな人とどう時間を過ごすか」を変えないといけないんです。
―そんな田口さんが「お金に困らない人」に変わったキッカケは何だったのでしょうか。
田口:これはいろんなところで書いているのですが、ロバート・キヨサキさんの『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んだことは一つのきっかけになったと思います。
この本を読んで、まずお金には資産と負債があって、それぞれがどんなものか気がつきました。ロバート・キヨサキさんは「お金を運んでくるのが資産」で「お金を取っていくのが負債」というシンプルな言い方をされているのですが、それが明確にわかった。
当たり前ですが、当時はどんなことにお金を使うにしても、それが将来「資産」になるのか「負債」になるのかを意識することはありませんでした。そこを考えるようになったのは大きく変わったところですね。
―先ほど「お金に困らない人」と「お金に困る人」の違いは、お金の使い方だとおっしゃっていましたが、両者の間に性格的な違いはありますか?
田口:「お金に困る人」というのは、簡単に言うと“いい人”なんですよ。人付き合いがいいから断れない。
同僚に「今日は行きますか!」と飲みに誘われたり、買い物に行って店員に「これはお似合いですね、素敵です」と言われた時、その気がなければ断ればいいのに「じゃあしょうがないか」とお金を使ってしまうんです。
こういう人は人間的には“いい人”なんですけど、自分の軸がないとも言えます。だから、バーゲンに行ったりすると安いという理由だけで買ってしまったり、食事をする時も「何でもいいや」となってしまう。こういう人はお金が貯まりません。
反対に、お金が貯まるという人は何を買うにしても、お金の使い方にきちんと意思があります。
―お金を稼いだり、増やしたりすることについても伺いたいのですが、今は賃金が上がりにくい時代ですから、お金に困らないためには「投資」も一つの手段です。この「投資」について、田口さんのお考えをお聞かせ願えますか。
田口:投資を始めた方がいいかどうかといったら、始めた方がいいとは思うのですが、「投資」というのはすごく幅広いものを指す言葉で、「株式投資」も投資だし「FX」も投資ですから、何でもかんでも始めればいいということではありません。
少なくとも、「今日買って明日いくらになる」というような、短期間での売った、買ったはやめるべきです。短期間でお金を増やそうというのは、投資ではなくギャンブルの発想ですから。
だから、やるのであれば長期投資の方がいいのですが、一番確実な投資というのは自己投資だと思いますよ。
―本当に自分のためになる自己投資となると、何をすればいいかわからない人は多いかと思います。田口さんなりの自己投資のポイントがありましたら教えていただけませんか。
田口:「お金に困らないこと」を目的にするなら、基本的には自分の技術とか体験をお金に変えていくのが一番強いです。なぜなら独自の技術や体験を持っていれば他と競争をする必要がないわけですから。
これは何かの資格を取るということではありません。資格を取ったら同じ資格を持っている人の中でまた競争が始まるわけで、これを勝ち抜くのは大変なことです。
もちろん、資格を取るのが絶対にいけないということではないのですが、資格を持っているだけでは「どうしてもこの人に仕事をお願いしたい」ということにはなりにくいんです。
だから、どこかに行ったり、体験したり、技術を身につけたり、ちょっとしたことでも自分がやりたいと思えることにお金を使うというのが自己投資のポイントだと思います」
(後編につづく)
しかし、この「貯金」がくせ者で、ある程度収入があるにも関わらず全然お金が貯まらないという人もいれば、低収入だけどコツコツと貯められる人も。
性格といってしまえばそれまでですが、両者の間にはどんな違いがあるのでしょうか。
『ココが違った!お金に困らない人の時間術』(集英社/刊)は、「時間の使い方」という点から「お金を貯められる人」と「貯められない人」の違いを考える一冊です。
今回は著者の田口智隆さんにインタビュー、両者の違いについて聞いてみました。
田口:お金というのは、結局時間を過ごすなかで使うものなので、「お金に困らない人」と「お金に困る人」の違いは、お金の使い方そのものというよりも「時間の使い方」にあるというのは以前から感じていたことです。
時間術だとか、タイムマネジメントの本はたくさんあるのですが、「お金と時間」ということで考えると、「どんな人とどんな時間を過ごすか」というのはやはり大事だと思っています。
というのも、僕自身もともとは無駄遣いが多くてお金に困っていた人間なんです。無駄遣いというのはギャンブルであったり、お酒だったんですけど、特にそれらが好きだったというわけではなくて、周りにいた友達に影響されてやっていたというところが大きかったんです。
自分の好きなものだけ買ったり、一人で楽しんで散財できる人って案外少なくて、人付き合いが絡んでお金が出ていってしまうことの方が多い。そういう体験もあってこの本では「お金と時間」がテーマになっています。
―お金の使い方は友達に影響されるというのはすごくよくわかるお話です。
田口:僕の場合、最初に勤めた会社に賭け事が好きな人が多かったんですよ。だから、やっぱり話すと競馬だとかパチンコの話題になる。
もともとさして興味がなかったのに、話しているうちに何となく気になるようになってしまったんです。
お酒にしても、一人で出かけてお金に困るくらい飲むという人は少ないはずで、やっぱりみんなで行って「ここは俺が払うよ」ということが重なってお金がなくなってしまう。
だからお金が貯まらないという人が貯められるようになるには、お金の使い方だけ考えてもダメで、「どんな人とどう時間を過ごすか」を変えないといけないんです。
―そんな田口さんが「お金に困らない人」に変わったキッカケは何だったのでしょうか。
田口:これはいろんなところで書いているのですが、ロバート・キヨサキさんの『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んだことは一つのきっかけになったと思います。
この本を読んで、まずお金には資産と負債があって、それぞれがどんなものか気がつきました。ロバート・キヨサキさんは「お金を運んでくるのが資産」で「お金を取っていくのが負債」というシンプルな言い方をされているのですが、それが明確にわかった。
当たり前ですが、当時はどんなことにお金を使うにしても、それが将来「資産」になるのか「負債」になるのかを意識することはありませんでした。そこを考えるようになったのは大きく変わったところですね。
―先ほど「お金に困らない人」と「お金に困る人」の違いは、お金の使い方だとおっしゃっていましたが、両者の間に性格的な違いはありますか?
田口:「お金に困る人」というのは、簡単に言うと“いい人”なんですよ。人付き合いがいいから断れない。
同僚に「今日は行きますか!」と飲みに誘われたり、買い物に行って店員に「これはお似合いですね、素敵です」と言われた時、その気がなければ断ればいいのに「じゃあしょうがないか」とお金を使ってしまうんです。
こういう人は人間的には“いい人”なんですけど、自分の軸がないとも言えます。だから、バーゲンに行ったりすると安いという理由だけで買ってしまったり、食事をする時も「何でもいいや」となってしまう。こういう人はお金が貯まりません。
反対に、お金が貯まるという人は何を買うにしても、お金の使い方にきちんと意思があります。
―お金を稼いだり、増やしたりすることについても伺いたいのですが、今は賃金が上がりにくい時代ですから、お金に困らないためには「投資」も一つの手段です。この「投資」について、田口さんのお考えをお聞かせ願えますか。
田口:投資を始めた方がいいかどうかといったら、始めた方がいいとは思うのですが、「投資」というのはすごく幅広いものを指す言葉で、「株式投資」も投資だし「FX」も投資ですから、何でもかんでも始めればいいということではありません。
少なくとも、「今日買って明日いくらになる」というような、短期間での売った、買ったはやめるべきです。短期間でお金を増やそうというのは、投資ではなくギャンブルの発想ですから。
だから、やるのであれば長期投資の方がいいのですが、一番確実な投資というのは自己投資だと思いますよ。
―本当に自分のためになる自己投資となると、何をすればいいかわからない人は多いかと思います。田口さんなりの自己投資のポイントがありましたら教えていただけませんか。
田口:「お金に困らないこと」を目的にするなら、基本的には自分の技術とか体験をお金に変えていくのが一番強いです。なぜなら独自の技術や体験を持っていれば他と競争をする必要がないわけですから。
これは何かの資格を取るということではありません。資格を取ったら同じ資格を持っている人の中でまた競争が始まるわけで、これを勝ち抜くのは大変なことです。
もちろん、資格を取るのが絶対にいけないということではないのですが、資格を持っているだけでは「どうしてもこの人に仕事をお願いしたい」ということにはなりにくいんです。
だから、どこかに行ったり、体験したり、技術を身につけたり、ちょっとしたことでも自分がやりたいと思えることにお金を使うというのが自己投資のポイントだと思います」
(後編につづく)