3年ぶりにヒクソン・グレイシーに恋愛相談をしてみた

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 出版界の最重要人物にフォーカスする『ベストセラーズインタビュー』!
 第52回目となる今回は、“400戦無敗の男”の異名を持つ伝説の柔術家ヒクソン・グレイシー氏が登場。
 3年ぶりとなる新刊『心との戦い方』(新潮社刊)は、自身の半生をたどりながら、アクシデントでも冷静でいられる心を強く持つ方法、ベストを尽くすことの大切さなどを説いた一冊で、ヒクソンがこれまで戦ってきた相手についても語られているのがポイントです。

 実は新刊JP編集部、前作『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』刊行の際にもインタビューを行っており、3年ぶりのインタビューとなりました。
 インタビュー特別編となる今回は、3年前のインタビューの続きを決行! 実は3年前に「“無敗の男”ヒクソン・グレイシーに恋愛相談をしてみた」という記事を配信したのですが、今回はその続きとして再びヒクソンにガチ恋愛相談! 3年間好きな女の子を諦めきれない男に、どのようなヒクソン氏はどんなアドバイスを送るのか…?
(インタビュー/新刊JP編集部・金井元貴、以下敬称略)

■ヒクソン・グレイシーに恋愛相談をしてみた(3年ぶりの経過報告編)

―3年前に日本で本を出版されましたよね? 実は、私はそのときにインタビューをしているんです。今回、またお話をうかがうことができて光栄です。

ヒクソン 「ありがとう。私もまたお会いできて嬉しいです」

―それで、実は3年前のインタビューのときに、私はあなたに恋愛相談をしました。覚えていらっしゃいますか?

ヒクソン 「ちょっと覚えていません(笑)。どんな内容だったのですか?」

―好きな女の子がいるのですが、なかなか振り向いてもらえないという相談でした。そのとき受けたアドバイスが「Never give up!!」というものです。しかし、上手くいかなければ戦略を練り直すことも必要であると諭されました。あれから、私はいまだにその女の子を諦めきれていませんし、戦略を練り直してもなかなか自分の思う通りにことが進まずに困っています。
もし、よろしければアドバイスをいただきたいのです。


ヒクソン 「勘違いしてほしくないことは、諦めないということは、同じ作戦を続けたり、同じチャレンジの仕方を全く変えないでやり続けることではないということです。
目的は幸せになることです。その幸せを追い求めるためには、諦めないことが大事です。気づくべきは、目的はその人をモノにするのではなく、良い恋愛をして幸せになることですよね。だからその相手に対して、これは自分でしか判断できないことですが、チャレンジし続けるか、新しい人を探すか、判断すべきです。目的は良い人と巡り合って一緒になるということであり、その人を振り向かせることが目的ではないと思います」

―なるほど。

ヒクソン 「ベストを尽くした上で、それでも上手くいかずに方向転換するのは、ポジティブなことです。ただ、やり残したことを抱えるとなると、ポジティブな判断とはいえません。だから、100%やるだけやって、それで方向転換するならば、それはポジティブな判断となるでしょう。しかし、そこでも方向転換をしないと、逆に弱みになってしまう可能性があります」

―わかりました。タイミングを見極めて、どこで区切りをつけるかを考えます。

ヒクソン 「それは恋愛だけでなく、いろいろな人間関係でも同じです。2人以上人間がいると、両方の気持ちが存在します。そのバランスがうまくいかなければ長続きはしませんし、もしバランスがうまく取れれば関係は上手くいくでしょう」

―お願いがあります。もしよろしければ、私に技をかけていただけますか? その痛みによって、自分の中の何かが変わるのではないかと思います。

ヒクソン 「(インタビュアーの右手首を曲げて)関節というのはどこかで限界がきます。痛みの限界を感じたら、そこで止めないといけません」

―(徐々に痛くなってくる手首。耐えきれなくなり…)痛い!

ヒクソン 「(手を離して)意味なく自分を痛めるのはおすすめしません。必要であれば、痛みを耐えないといけませんし、その痛みを無視しないといけないときもあります。
目的のない痛みは、すぐにストップすべきだということを知らせてくれるものです。ただ、もし目的があれば、痛みにも全力で立ち向かうことが大事です」

―わかりました。ありがとうございます!

ヒクソン 「ありがとうございます(笑)また、会いましょう」

■取材後記
 3年ぶりとなったヒクソン・グレイシーへのインタビュー。彼の言葉通り、インタビューでも「ベストを尽くす」という姿勢を強く感じられ、恋愛相談をしても真剣な眼差しで答えてくれました。こんなに真剣に人と向き合ってくれる人はそういないように感じます。そのヒクソンの姿勢がこのインタビューを通して少しでも伝われば、そして一人でも多くの人が『心との戦い方』に興味を抱いてもらえれば幸いです。
(新刊JP編集部/金井元貴)