Ｊリーグが２ステージ制を復活させることになった。

　観客動員の減少に歯止めをかけたいというリーグ側の言い分も、納得はできないが理解はできる。サポーターの拒否反応はもっともだ。

　それにしても、大会方式がややこしい。スーパーステージをやってチャンピオンシップ？　図解で示されても、いまひとつピンとこない。「決定次第発表する」という但し書きがいくつもあるから、そもそも不確定要素が満載だ。きれいに理解するなんて無理なハナシである。

　ふたつの点において、僕は不自然さを感じる。

　ひとつ目は、選手への説明が後回しになったことだ。説明は今後だという。

　それでいいのだろうか？　１シーズン制と２ステージ制のメリット、デメリットを肌で感じているのは、他ならない選手だ。議論を進める段階から、彼らの意見を吸い上げるべきだったのではないか。決められたレギュレーションのもとでプレーするのがプロだとしても、事後報告はあまりに一方通行だ。

　個人的には、柏レイソルの関係者に意見を聞いてほしかった。

　２０００年のＪ１リーグで年間最多勝点を獲得しながらも、レイソルは第１ステージ４位、第２ステージ２位に終わった。チャンピオンシップには、出場できなかった。２ステージ制の悲劇を味わった。チームを率いた西野監督は、主力選手だった南、明神、北嶋らは、あのとき何を思ったのか。

　２００１年のジュビロ磐田の意見も、傾聴に値する。年間勝点71は、2位の鹿島アントラーズに17ポイントの大差をつける。ところが、チャンピオンシップの敗退で年間順位は２位となってしまった。

　どちらのチームの関係者も、いまなら言えることがあるはずだ。いまだから明かせる本音はきっとある。

　年間最多勝点を獲得しながら、リーグチャンピオンになれなかったチームはまだある。２ステージ制へ移行する判断材料として、彼らの声は欠かせなかったと思う。
ふたつ目は、２ステージ制が日本代表の強化に結びつくのか、ということである。
　
　あくまで直観的なものだが、ステージ優勝にも残留争いにも無関係なゲームが、１ステージ制より増えてしまう気がする。第１ステージで１、2位となったチームが、第２ステージで早々に優勝争いから脱落したら──来るべきスーパーステージへの準備を、いち早く始めるだろう。それによって他チームに新たなモチベーションが獲得しても、１ステージ制なら生まれないものだ。歪んだ動機付けに過ぎない。

　それでも、国内リーグの底上げがはかれるのか。「日本サッカーの水準向上」というＪリーグの理念を、損なうことにならないのか。

　胸を張って「ならない」と、僕は言えない。