ワールドカップブラジル アジア最終予選 オーストラリア戦
――まあ反省はしても、引き分けとなったのだから、後々にしこりみたいに残っては困りますからね
賀川:ただし、この偶発的なクロスも、両チームで一番若いオアーが左サイドで日本側3人を相手にドリブルしてペナルティエリア左外から蹴ったボールです。
――つまり、相手の若者に個人突破のクロスキックを許したということになるわけ
賀川:オーストラリアの選手は個人能力が高い。それを押さえることがこの試合のテーマのひとつだった。
賀川:本田が正面に蹴った時にはゴールキーパーは右へ飛んでいた。サイドネットで決めるという定石どおりではなかったけれど彼の勝負強さがあらわれた結果でしょう。
――最後まで緊張感の続いた93分はこのPKで1-1。日本はブラジル行きを決めました。この試合でまたPKが話題になるでしょう
賀川:野球というスポーツで停止球から始まるプレーについては理解しやすい人も多いですからね。特に近頃は高校選手権のようなノックアウト方式の大会でのPK戦がありますから。
――それについて旧制中学のせんしゅのころからPKのキッカーだった賀川さんの話を聞きたいが、ここは日本のあれだけ上手な攻撃で結局PKの1点だけだったことについての話を聞きたいです。
続く
関連情報(BiZ PAGE+)
1952年からスポーツ記者、1975年から10年間のサンケイスポーツ編集局長(大阪)などを経て現在フリーランスとして、現役最年長記者。ワールドカップの取材9回、ヨーロッパ選手権5回、南米選手権1回。著者として『釜本邦茂ストライカーの戦術と技術』など多数