インタビュー：渡辺大知「今まで自分がやっていたのは自己満足」
――今回映画の中でご自身も音楽を演奏されているシーンがありますが、映画と音楽では表現する上でどこが違うと感じられましたか？
渡辺：表現するという意味では一緒だし、似ていると思っていたんですけど、やってみると全然違って。今まで自分がやっていたのは自己満足…。自己満足って言うと語幣がありますけど、ライブでは自分のしたいことをするっていう感じで動いていたんですね。でも演技はセリフもあるし皆で作りあげていく感じがします。映画が終わった後、これからはバンドでも自分達だけの問題じゃなくて、聞いてくれる人のことを考えるようになれたかなって思いました。レコ−ディングでも協調性を考えられるようになったというか。――エンディングテーマを峯田さんと岸田さんと一緒に歌われていますね。音楽の大先輩と一緒に歌ってみてどうでしたか？
渡辺：残念ながらスケジュールが合わなくて、実は一緒に歌ってないんです。皆別々に録音して。しかも僕が最初に録ったので、お2人がまだ録音されていない状態で歌いました。2人がどんな歌い方をするかわからない状態だったので、それこそ「どうしようかな」という感じでした（笑）。――完成した曲を聴いてみてどうでしたか？
渡辺：完成した曲は、映画のエンドロールで聴きましたが、感動しましたね。お2人の歌い方がすごく楽しそうだなと。「うわぁ俺も遊べば良かった」と思って。もっと自由に歌えばよかったと思ったりもしました。――現場でも音楽の話題が出ましたか？
渡辺：出ましたね。岸田さんも映画初出演で、2人とも現場に慣れていなかったので音楽の話ができる人がいると安心するんですよね。あと、臼田さんも森岡くんもすごく音楽詳しいんですよ。音楽も知らなかったら相当居心地悪かったと思うんですけど、音楽の話ができる人達がたくさんいたので楽しかったです。――渡辺さん自身の、「色即ぜねれいしょん」のような忘れられない夏の思い出を教えてください。
渡辺：まさにこの撮影ですね。高校3年生の夏休みは全て捧げたので。後は、高2の夏休みはバンドを組んで初めての夏休みだったんですけど、夏休みにライブしたりするのは楽しかったです。バンド仲間ができて、バーベキューをやったりしたのがすごく思い出に残っています。「色即ぜねれいしょん」
僕の名前は乾純。京都の仏教系男子校に通う高校一年生。友達には「イヌ」って呼ばれてる。ボブ・ディランに憧れてる僕は、ロックな生き方を目指してるけど、学校では文科系は肩身が狭いし、家では優しすぎる両親が心配してくれるし……ロックとはほど遠い平凡で退屈な日々に悶々としていた。あの夏休みまでは……。「フリーセックスの島行かへん？」。友達のその一言から僕の世界が少しずつ変わり始める。ギターケースと旅行バッグを手に夜汽車とフェリーを乗り継いで向かったのは、隠岐島。そこで僕らを待っていたのは……。
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