近畿日本鉄道グループが、「“楽・元気”生活」と称して奈良県と京都府の一部で生活応援事業を展開している。その姿こそが少子高齢化が鮮明になり、「縮む」日本市場での生き残りの正しい姿を現しているといえるだろう。

<子育てタクシー、買い物商品宅配…近鉄グループの生活応援事業が人気>
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200902210128a.nwc

報道では以下のような展開が伝えられている。<スーパーの近商ストアが、購入商品を宅配するサービスを提供><子供連れの人の外出をサポートするため、奈良近鉄タクシーがチャイルドシートを備えた「子育てタクシー」などを展開><近畿配送サービスも割安なミニ引越を開始>そして<現在、15社(うち近鉄グループ12社)が同事業に参入>しているという。
そして、担当者のコメントはさらに同グループが事業に注力することを示している。<近鉄経営企画部の山本寛課長は「沿線住民サービスの一環だが、グループ全社を挙げた囲い込み戦略は関西の私鉄では初めてだろう。サービスエリアの拡大も検討中」>

冒頭、筆者は”「縮む」日本市場での生き残りの正しい姿”と書いた。鉄道というインフラを基軸としたグループは、輸送対象となる乗客数の減少が経営を直撃する。もはや止める手立てが見えない日本の少子高齢化は乗客の減少、収益の低下に直結する。特に大阪府・奈良県・京都府・三重県・愛知県の2府3県にまたがり、JRをの除く日本の鉄道事業者では最長の路線網を抱える同グループには、さらにインフラ維持の負担が重くのしかかってくるのである。

鉄道会社の盛衰といえば、セオドア・レビットの名が浮かぶ。

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