本日のポンドは独歩安の展開を見せており、対ドルのみならず、対ユーロ、円でも下落している。ポンド円は195円台前半まで下落しており、21日線を下放れる展開が見られている。

 この日発表の英GDPが予想を下回ったことがポンドを圧迫しているようだ。第3四半期のGDP速報値は前期比で僅か0.1%増に留まり、英経済は夏に失速したことが示された。9月の月次GDPも前月比で予想外のマイナス成長となっていた。

 エコノミストからは、新政権による財政刺激策は景気を多少押し上げる可能性はあるが、税制措置が逆効果となり、民間投資や雇用に打撃を与える可能性があるとの指摘が出ている。採用計画も凍結の可能性が高く、実際に英労働市場にはすでにひび割れが表れ始めているという。貿易戦争やその他の地政学上のリスクも迫っているとも述べている。

 ただ、別のエコノミストからは、英中銀は成長よりもサービスインフレに傾注しており、これは鈍化こそしているもののなお高水準で推移している。来週は10月の英消費者物価指数(CPI)が発表になるが、サービスインフレは前年比4.8%が見込まれている状況。そのため英中銀は12月の利下げを一旦停止する可能性が高いという。

*英GDP速報値(第3四半期)16:00
結果 0.1%
予想 0.2% 前回 0.5%(前期比)
結果 1.0%
予想 1.0% 前回 0.7%(前年比)

*英月次GDP(9月)16:00
結果 -0.1%
予想 0.2% 前回 0.2%(前月比)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美