きょうのNY為替市場、トランプトレードが一服する中、ドル売りと伴にドル円も戻り売りに押され、155円台前半まで下げ幅を拡大している。前日のパウエルFRB議長の講演で市場は利下げ期待を後退させており、ドル円は156.75円付近まで上げ幅を広げていた。

 議長は利下げを急いではおらず、慎重に行動する意向を強調していた。市場は利下げ期待を後退させており、CMEのフェドウォッチでは55%程度まで12月利下げの確率を低下させている。先ほど発表の10月の米小売売上高は、全体こそ予想を上回る内容となったものの、自動車を除いたコアは予想を下回っていた。ただ、前回分の上方修正を考慮すると、底堅い個人消費が示され、パウエルFRB議長の前日の講演を裏付ける結果ではある

 しかし、次第にドル円の上値も重くなってきているようで、週末を前に利益確定売りが強まっている模様。目先は155円台を維持できるか注目される。155円を割り込むと押し目買いも活発に出そうだ。

 なお、日本時間0時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。

15日(金)
現行付近にはなし

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美