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 「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助さんを殺害したとして殺人の罪に問われている元妻の須藤早貴被告(28)の裁判員裁判が15日、和歌山地裁で行われ、須藤被告は被告人質問で「もうちょっと死に方を考えてほしかった。あのタイミングと死んだせいで私は何年も人殺し扱い」と、恨み節を語った。

 須藤被告は裁判を通じて一貫して無罪を主張。一方で、金目当ての結婚だったことや、覚醒剤は野崎さんの希望で購入したことなどは認めている。検察側は野崎さんが亡くなる前後に「完全犯罪、遺産、覚醒剤」などこの事件のキーワードとなる言葉を須藤被告が検索していること、野崎さんが覚醒剤を摂取したと考えられる午後5時前から午後8時前後の時間帯に野崎さんの寝室がある2階に8回も上がっていることなど数々の状況証拠を積み上げてきた。

 ただ、須藤被告が野崎さんに覚醒剤を飲ませた直接の証拠は今のところない状況。この日の公判を受けて、三輪記子弁護士はABCテレビ「newsおかえり」(月〜金後3・40)に出演し「現時点の証拠では有罪認定するには不十分。(野崎さん)本人が飲んだ可能性も十分残っている」と現状、検察側の言い分では難しいという考えを示した。

 番組共演者も疑問が残る表情。女優の岡田結実(24)は「最初は世論と一緒で悪い女性のイメージがインプットされていて、ニュースを深掘りしたときに、今は真実はどれなんだろう、と。わかんないですね」と首をかしげた。番組MCを務める横山太一アナウンサーは「遺産目当てで結婚したことははっきり認めています。ただ殺していないと容疑は否認しています」と話して、お笑い芸人の小島よしおは「袴田さんのこともあったし、いま知っている情報だけで判断するのは危険だなと思いますね」と感想を述べた。

 また、三輪弁護士は「現時点では検察は(須藤被告が)悪性格という印象を与えることには成功しているかもしれない。でも、犯罪をした人が悪い人とは言えるかもしれないけど、悪い人が必ず犯罪をするかというのは全く違うことですから。注意深く考えないといけない」と注意喚起していた。