今オフFAの「目玉」となるか 驚異の「.600」、注目集めるDeNA29歳外野手の”貢献”とは

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佐野はCSでも存在感を発揮した(C)産経新聞社

 DeNAは阪神と戦った12日のCSファーストS初戦(甲子園)を3−1と勝利。レギュラーシーズンで首位打者に輝いたタイラー・オースティンの適時打など強力打線でリーグ2位の阪神を押し切った。

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 光ったのは新旧キャプテンの貢献にもあった。2番に入った牧秀悟、3番に入った佐野恵太はともに3安打の猛打賞。3回は先頭の牧が中前打をマークすると、続く佐野が左翼線へ二塁打をマークとチャンスメイクに貢献。一死満塁から桑原将志の遊ゴロ併殺崩れで先制点を奪った。

 7回も一死から牧が二塁打、佐野も左前打と続き、オースティンの右中間二塁打で2点を奪うという、この試合のターニングポイントとなった。ポストシーズンの戦いは始まったばかりだが、CS期間の打率は牧とともに「.600」とクリーンアップとしてチームをけん引している。

 また好調を維持する佐野といえば、FAイヤーとなり今オフの動きも注目されている。

 佐野は2016年ドラフト9位入団。アレックス・ラミレス元監督に才能を見出だされ、4番に抜擢されたサクセスストーリーも有名。2020年には首位打者、2022年には最多安打のタイトルも獲得と球界屈指のスラッガーとして知られる。
  
 レギュラーシーズンは139試合に出場、打率「.273」、リーグトップの34二塁打、8本塁打、62打点をマークした。

 また佐野といえば、今秋に行われる「プレミア12」でも侍ジャパンに初選出されたことも話題を集めた。同僚の牧とともに選出と国際舞台でもDeNAの強力打線が存在感を示せるか、注目となる。

 さらにファンも気をもむ佐野の去就に関しては、チームのし烈な外野手争いもリンクしてくると見られている。DeNAの外野陣は梶原昂希、桑原将志、蝦名達夫、関根大気、また今季入団した度会隆輝と豊富な人材を誇る。
 
 育成の観点から球団が佐野の存在をどう捉えるか、また球団ではかつて救援投手の山崎康晃や昨年首位打者に輝いた宮崎敏郎と6年の長期契約を結んでいる。

 将来の幹部候補生、放出を避けたい選手にはしっかり金額を提示することも知られているとあって、球団がどのようなスタンスで引き留めに臨むかも注目となる。

 仮に佐野が宣言すれば、屈指のバットコントロールで知られる好打者に加え、かつて主将も務めるなど、選手をまとめる力にもたけているとあって、特に打線が苦しいチームからは争奪戦となることも予想される。しびれるポストシーズンでの佐野のパフォーマンス、去就の行方が今後も話題を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]