「みんなが迷惑していた」バスの車内で“挙動不審”な男性を一喝。勇気ある女子高生に聞かされた「あり得ない事実」
利用することがもはや生活の一部となっているバス。乗車する機会が多ければ多いほど、非常識な乗客に遭遇することも少なくありません。吉田環さん(仮名・31歳)も、バスの中で嫌な思いをした経験があると語ります。
「毎日バスで通勤しています。特に帰宅する時は仕事の疲れもあって決まってヘトヘトになっていて。節度のない乗客と出会ってもいつも見て見ぬふりをしていたのですが……。あの時はどうしても相手に何か言わなければ気が収まりませんでした」
◆バスの中にいた「突然席を譲ってくる30代ぐらいの男性」
「その日、仕事が定時に終わったので、予定通りのバスに乗り帰宅の途に就きました。座席は人でいっぱいだったので、最寄り駅のバス停まで立つことに。すると、目の前に座る30代ぐらいの男性が『どうぞ座ってください』と私に席を譲ってきたのです。
一瞬、自分の身に何が起きたのかわからなくて……私はまだ席を勧められるほどの年齢ではないので、彼の行動に驚きを隠し切れず。そんなに仕事の疲れが顔に出ていたのかな?と思うと、だんだん気恥ずかしい気持ちになりました」
相手の親切を断るワケにはいかないと、いったん席に着いた環さん。しかし、ここであることが心に引っかかったと言います。
◆親切心かと思いきや…彼の恐ろしい表情にゾッとして
「ふと彼を見上げるとなぜか薄ら笑いを浮かべていたのです。その表情から、もしかしたら私に恥をかかせようと、親切なふりをしてわざと席を譲ったのではないかと疑問が湧いてきて。冷静になって考えてみると、その男性と私はそんなに見た目も変わらないし、何より彼の悪意に満ちた眼差しに違和感を覚えました」
突然火の粉が降りかかってきたものの、環さんは黙ってその場を切り抜けることにしたのだとか。
「彼の理不尽な行動に、私はかなり苛立ちを感じました。でも、それと同時に『相手をおとしめることしか楽しみのない人なんだ』と感じ、相手がかわいそうにすら思えてきて。
彼に抗議することもできたけれど、同じ土俵に立ちたくない気持ちから何も言わないことにしたのです。しかも、その時バスは混み合っていたので、揉め事を起こすのは控えた方がいいと思いました」
しかし、この後、環さんの感情を逆なでする展開が待ち受けていたのです。
◆一度きりの間違いだと思っていたら…
「しばらくすると、その男性が手すりにある降車ボタンを押しました。もう彼の顔を見たくないと思っていた私は『やっとバスを降りるんだ!』と一瞬にして安堵感に包まれたのですが……。いざバスが停車すると『すみません、間違えてボタンを押してしまいました』と大きな声で謝罪したのです。この時、ミスは誰にでもあることなので仕方がないと思いました」
車内で次のバス停がアナウンスされると30代男性は再び降車ボタンを押したそう。
「今度こそ降りるだろうと、私を含め周りの人たちもそう思っていたに違いありません。ところが、彼はまたも『間違えました』とへらへら笑ってみせたのです。
それが一度や二度ではなく、何度も繰り返されたので『意図的に降車ボタンを押して、毎回バスを停車させるいたずらをしているのではないか』と不審に思うようになって。みんなの迷惑そうな顔を見たら、私の中で疑惑が確信に変わりました」
とうとう怒りが頂点に達した環さん。このまま放っておけないと思い、とっさに立ち上がり再び降車ボタンを押そうとする男性の腕を強く引っ張ったと言います。
「かなり頭にきていたということもあり、その時、私は鬼のような形相をしていたと思います。でも、彼に『なんだよ!オバサン』と怒鳴られて……さっきの出来事が頭をよぎり何も言えなくなってしまったのです。そのため、ただその場に立ちすくむしかありませんでした」
「毎日バスで通勤しています。特に帰宅する時は仕事の疲れもあって決まってヘトヘトになっていて。節度のない乗客と出会ってもいつも見て見ぬふりをしていたのですが……。あの時はどうしても相手に何か言わなければ気が収まりませんでした」
◆バスの中にいた「突然席を譲ってくる30代ぐらいの男性」
「その日、仕事が定時に終わったので、予定通りのバスに乗り帰宅の途に就きました。座席は人でいっぱいだったので、最寄り駅のバス停まで立つことに。すると、目の前に座る30代ぐらいの男性が『どうぞ座ってください』と私に席を譲ってきたのです。
相手の親切を断るワケにはいかないと、いったん席に着いた環さん。しかし、ここであることが心に引っかかったと言います。
◆親切心かと思いきや…彼の恐ろしい表情にゾッとして
「ふと彼を見上げるとなぜか薄ら笑いを浮かべていたのです。その表情から、もしかしたら私に恥をかかせようと、親切なふりをしてわざと席を譲ったのではないかと疑問が湧いてきて。冷静になって考えてみると、その男性と私はそんなに見た目も変わらないし、何より彼の悪意に満ちた眼差しに違和感を覚えました」
突然火の粉が降りかかってきたものの、環さんは黙ってその場を切り抜けることにしたのだとか。
「彼の理不尽な行動に、私はかなり苛立ちを感じました。でも、それと同時に『相手をおとしめることしか楽しみのない人なんだ』と感じ、相手がかわいそうにすら思えてきて。
彼に抗議することもできたけれど、同じ土俵に立ちたくない気持ちから何も言わないことにしたのです。しかも、その時バスは混み合っていたので、揉め事を起こすのは控えた方がいいと思いました」
しかし、この後、環さんの感情を逆なでする展開が待ち受けていたのです。
◆一度きりの間違いだと思っていたら…
「しばらくすると、その男性が手すりにある降車ボタンを押しました。もう彼の顔を見たくないと思っていた私は『やっとバスを降りるんだ!』と一瞬にして安堵感に包まれたのですが……。いざバスが停車すると『すみません、間違えてボタンを押してしまいました』と大きな声で謝罪したのです。この時、ミスは誰にでもあることなので仕方がないと思いました」
車内で次のバス停がアナウンスされると30代男性は再び降車ボタンを押したそう。
「今度こそ降りるだろうと、私を含め周りの人たちもそう思っていたに違いありません。ところが、彼はまたも『間違えました』とへらへら笑ってみせたのです。
それが一度や二度ではなく、何度も繰り返されたので『意図的に降車ボタンを押して、毎回バスを停車させるいたずらをしているのではないか』と不審に思うようになって。みんなの迷惑そうな顔を見たら、私の中で疑惑が確信に変わりました」
とうとう怒りが頂点に達した環さん。このまま放っておけないと思い、とっさに立ち上がり再び降車ボタンを押そうとする男性の腕を強く引っ張ったと言います。
「かなり頭にきていたということもあり、その時、私は鬼のような形相をしていたと思います。でも、彼に『なんだよ!オバサン』と怒鳴られて……さっきの出来事が頭をよぎり何も言えなくなってしまったのです。そのため、ただその場に立ちすくむしかありませんでした」