町田がJリーグに「要望書」と「伺い書」を提出(写真はイメージです)【写真:(C) FCMZ】

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原FDが取材に対応して説明

 町田ゼルビアの原靖フットボールダイレクターが10月2日、J1リーグ第32節サンフレッチェ広島戦(9月28日)の試合での出来事について、Jリーグ運営部に「要望書」と「伺い書」を提出した件について説明した。

 広島戦で、町田は副審が走るエリアと広島のウオーミングアップゾーンの間にタオル入りの袋を複数置いていたが、その袋の中に複数の広島の選手が水を入れていた。また複数の関係者がタオルを移動させていたことを町田は確認しているという。

 そこで町田は「相手チームが設置した備品に対して手をかけるような行為を制限してほしいと全クラブに注意をしていただけませんか」という要望に加え、広島に対して「あのような行為に対してどういう見解をお持ちなのか」をJリーグから聞いてほしいという伺いを立てたということだった。

 原FDはタオル入りの袋が相手選手の邪魔になっていた可能性にも触れ、「試合を運営するにあたって、マッチコミッショナーと運営サイドで、そもそも危険である場所であれば撤去してくださいということになる」とし、それでも「邪魔ならばマッチコミッショナーや運営スタッフに言ってほしい。そう言われればどけるかもしれないし、位置を変えるかもわからない」と正規の手順での対応を求めた。

 原FDは広島戦について「完敗だった。我々が目指す来季や今後の参考になった。まだまだ上がいるのが分かった」と広島の圧倒的な力を認めつつ、「ああいうことはする必要ないんじゃないか」と疑問も呈している。

 これまでにも町田が用意したタオルを隠されることは、いくつかのクラブであった。その中には試合後、責任者が「申し訳なかった」と謝ってきてくれたクラブもあるそうだ。

 過去には他チームでタオルが隠されていたという事例もあったが、今はSNSが発達しており、余計に話題になりやすいのではないかと推測していた。さらに先日、Jリーグの関係者が町田を訪問した際、「今は町田に対してなら何を言ってもいいという風潮が感じられる」という問題点を指摘していたということだった。

 現在、クラブにはこのタオル問題についての意見も寄せられているそうだ。その中にはユニフォームに速乾性のあるセーム革を縫い付けて、タオルを用意しなくてもいいようにすればどうか、という解決策を提案するものもあったという。

 広島戦というJリーグ首位攻防戦の話題の中心がすっかりタオルになってしまったのは残念だが、どう前向きに解決していくかということこそ大切だろう。Jリーグが今回の町田の要望書や伺い書の根底にあるポイントに目を向け、設置する場所や数を決めるというのも一つの手ではないだろうか。(森雅史 / Masafumi Mori)